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TOPスタッフブログ物流業務について物流アウトソーシングと自社物流の違い、メリット・デメリット、委託先の選び方

公開日: 2021/11/01
更新日: 2024/06/11

物流アウトソーシングと自社物流の違い、メリット・デメリット、委託先の選び方

カテゴリ:物流業務について

物流アウトソーシングと自社物流の違い

物販ビジネスにおける物流の重要性は、年々高まっています。特に、EC市場は右肩上がりで成長しており、今後もさらに拡大することが予想されます。この急速な市場の拡大と共に、企業の物流戦略への注目度も増しています。良質なサービス提供を実現するためには、製品の迅速かつ正確な配送が欠かせません。しかし、売上が好調な企業でさえ、内部の物流システムがその成長に追い付いていないという課題を抱えている経営者の方は少なくありません。このような課題に直面した際、多くの企業が物流のアウトソーシングへの転換を検討します。

今回は、物流アウトソーシングを考えている経営者の方々に向けて、物流アウトソーシングのメリットや選択肢、さらには物流会社を選ぶ際のポイントを詳しく解説します。現代のビジネス環境では、単に物流業務を外部に委託するだけでなく、そのプロセスを通じて企業の競争力をさらに高め、顧客満足度を向上させることが期待されています。どのように物流アウトソーシングを成功させ、ビジネスの可能性を最大限に引き出すか、そのコツをご紹介します。

物流アウトソーシングと自社物流の違い

物流アウトソーシングとは?

物流アウトソーシングとは
物流アウトソーシングとは、自社内で担っていた物流機能を外部の専門企業に委託する戦略のことを指します。
物流を管理する専門会社には、物流会社、発送代行会社、サードパーティ・ロジスティクス(3PL)といった様々な形態があり、それぞれに特色があります。これらの企業は、自社に代わって商品の保管や配送管理などの物流部門全般をサポートします。本記事では、便宜上これらを総称して「物流会社」と呼ぶことにします。

3PL企業には、「ノンアセット型」と称される企業も存在し、これらの会社は実際の物流施設や輸送手段を所有せず、物流の計画や管理ノウハウのみを提供します。この点は特に注意が必要です。

物流機能を外部に委託することで、企業は自社のリソースをより効果的に活用できるようになり、多くのメリットが期待できます。これにより、企業は自社のコアビジネスに集中することができるだけでなく、物流コストの削減、物流サービスの質の向上、そして変動する市場ニーズへの柔軟な対応が可能になります。物流アウトソーシングは、現代のビジネス環境において、企業が持続的な成長を遂げるための重要な戦略の一つと言えるでしょう。

詳しくはこの後に解説しますが、自社から物流機能を切り離すことで様々なメリットが発生します。

自社物流とは?

自社物流とは、企業が物流機能を内製化し、管理及び運営を行う体系を指します。
これは、製品の仕入れから保管、そして顧客への配送に至るまでの一連の流れを、企業自身がコントロール下に置くことを意味します。特に創業期やスタートアップ段階にある企業では、初期コストを抑えつつ柔軟な物流対応を目指して、自社物流を採用することが一般的です。このような場合、事務所の一角に小規模ながらも在庫を保管するスペースを設け、必要に応じて商品を出荷することで、効率的な物流プロセスを構築します。

しかし、ビジネスの成長と共に、商品取り扱い量の増加や配送範囲の拡大など、物流に関するニーズが複雑化していきます。この段階で、一部の企業は自社の物流倉庫を持つところも出てきます。さらに規模の大きな企業では、独自の物流インフラを構築し、高度な物流システムを導入することで、より広範囲かつ複雑な物流要求に対応可能な体制を整えることになります。自社物流の強みとしては、物流プロセスの細部に至るまで直接的な管理が可能である点にあります。これにより、柔軟な対応や迅速な意思決定が行えるため、顧客満足度の向上に直結します。また、物流に関するノウハウやデータの蓄積も企業内で行えるため、長期的な視点で見た時の競争力強化にもなります。

物流アウトソーシングの役割とは

物流センターの業務
「物流アウトソーシングって実際何をどこまでやってもらえるの?」と疑問を持つ方も多いです。そのため、ここでは具体的に何を外部委託できるのか、一つずつ簡単に解説します。

入荷・入庫・棚入れ

クロスドッキング
「入荷・入庫・棚入れ」は、物流の流れの中で初めに行われるのがこの工程です。この工程は、商品や荷物が物流センターに到着することから始まります。物流会社が荷主から送られてくる商品を受け取り、最終的にそれらを適切な場所に保管するまでの一連の活動を指します。

具体的には、次のようなプロセスで構成されます。

入荷・・・荷物や商品が物流センターに到着すること。
入庫・・・入荷した商品を物流倉庫内に運び入れること。
棚入れ・・・商品を適切な場所、すなわち棚に収納する作業。

物流会社によっては、40フィートのコンテナを積載したトラックの受け入れが可能な場合もあります。
特に、大型の荷物や多量の商品を扱う場合、物流会社が提供する専門の設備と経験は、都市部のテナントビルなどの限られたスペースではこのような大型トラックから荷下ろしすることすら難しいです。そのため、この工程だけをアウトソーシングすするメリットがあると言えます。
荷主企業は物流のスムーズな運営を確保しつつ、コスト削減や業務効率の向上を実現できるのです。

次に実際の作業について解説します。

入荷の際には、「入荷検品」と言って、入荷予定の荷物と実際の荷物が合っているか、数に不足がないか、破損など状態異常がないかをチェックします。状態異常は目視でチェックしますが他の2つは違います。ハンディーターミナルと呼ばれる業務端末で、入荷予定表のバーコードと実際の荷物のバーコードをスキャンしてデータ照合します。(これを「バーコード検品」と言います。)

バーコード検品には「WMS」と呼ばれる倉庫管理システムを用います。すべての倉庫作業をWMSで管理することで、作業を効率化したり、入出荷記録を正確に付けることができます。

これらの物流オペレーションは、高いサービスレベルを維持する上で不可欠です。物流アウトソーシングを通じて、これらの工程を確実に実行することが、今日のビジネス環境においてますます重要になっています。

検品・セット組

X線検査機
商品によっては「検品」や「セット組」といった作業が発生します。

「検品」や「セット組」は、物流アウトソーシングにおける重要な役割を担う工程で、商品の品質保証と顧客満足度の向上に直結します。検品作業では、商品が製造や輸送の過程で発生する可能性のある損傷を徹底的に検査します。

例えばアパレルの場合、製品の品質がブランドイメージに大きく影響するため、海外で生産したものは、検品してから日本に輸入するのが基本ですが、輸入後に何か問題が発生した場合は、国内で検品をします。B品がないかチェックしたり、針が混入していないか、検針機やX線検査機などでチェックします。

次にセット組ですが、異なる複数の商品を組み合わせて一つの商品にまとめることを言います。この工程は、特にプロモーションやギフトセット、季節限定商品の時に重要です。セット組は、顧客からの注文に基づいて行われる場合もあれば、事前に市場ニーズを見込んで行われる場合もあります。ここでの重要な判断基準の一つが、セットされた商品をどのように在庫管理するかです。効率的な物流管理のため、事前にセット組みされた商品は一つのSKU(在庫管理単位)として扱われ、在庫管理システム上で追跡・管理されます。

在庫管理

棚入れ
「在庫管理」は入荷した荷物を適切に管理することを言いますが、ここが一番、プロでなければ難しい工程です。
在庫管理は大きく分けて、以下3つのポイントがあります。

荷物の品質を保つ
正しい数量を保つ
すぐに出荷できる状態にしておく

まず、「荷物の品質を保つ」には適切な施設が求められます。特に温度や湿度の管理が必要な商品では、これが特に重要です。例えば、食品はその新鮮さを保つために、冷蔵や冷凍の設備が必要となる場合があります。このような設備投資は、特に物流を内製化している企業にとって大きな負担となり得るため、物流アウトソーシングは考慮に値する選択肢です。

次に、「正しい数量を保つ」には厳密な管理が必要とされます。入荷した商品は、ハンディーターミナルを使ってバーコード検品を行い、正確な数量の確認をします。この作業は、物流会社が提供する倉庫管理システム(WMS)によって支えられています。

最後に、「すぐに出荷できる状態にしておく」ためには、ロケーション管理が鍵となります。ロケーション管理とは、商品を保管している棚やパレットに対して、ロケーションコードという住所のような番号を付与して管理することを言います。実際には商品に添付されたバーコードと棚に添付されたバーコードをハンディーターミナルでスキャンすることで、データを紐づけます。
これにより、ピッキングの時間が大幅に短縮され、出荷準備が迅速に行えるようになります。

帳票発行

物流会社で言う帳票とは、ピッキングリストや納品書、送り状などのことを言います。出荷指示が出たら、WMSで在庫データに対して引き当てを行い、在庫があるものは出荷の準備をします。その際に一番最初に行うのがこの帳票発行です。

帳票が発行されると、ピッキングリスト、納品書、送り状が一組にまとめられ、倉庫スタッフに渡されます。これにより、スタッフは注文に応じて正確な商品をピッキングし、出荷準備を進めることができます。帳票のセットが乱れることなく、各注文ごとに正確に管理されることが、出荷作業のスムーズな進行と顧客満足度の向上に直結します。誤った組み合わせや情報の不一致が生じると、間違った商品が出荷される「テレコ出荷」のリスクが生じ、これを避けるためにも帳票発行の正確性が重要です。

また、デジタル技術の進展に伴い、物流業界では業務の効率化や環境負荷の軽減を目的としたペーパーレス化が進んでいます。その結果、紙で管理されていた帳票も電子データでの管理へと移行しつつあり、特に送り状のみを電子発行するケースが増えています。このようなペーパーレス化の動きは、物流工程の迅速化はもちろん、環境への配慮という観点からも大きなメリットをもたらしています。

帳票発行という一見単純な工程には、物流の正確性と効率性を高めるための多くの技術と工夫が凝縮されています。物流アウトソーシングを通じて、企業はこれらの専門的なサービスを利用することで、よりスムーズで信頼性の高い商品の流通を実現できるのです。

ピッキング・流通加工・梱包

バーコド管理
「ピッキング」とは、商品が保管された棚から商品を取り出すことを言います。ピッキングリストに記載されたバーコードをハンディーターミナルでスキャンすることで、目的の商品がどこに保管されているのか、すぐに特定し、取り出すことができます。

次に「流通加工」ですが、一部の商品については梱包前に作業が発生します。
例えば、ギフトラッピングやのし対応、プロモーションチラシの挿入など、商品に付加価値を与える作業が含まれます。特にオンラインでの販売が増える中、個々の顧客のニーズに合わせたパーソナライズされたサービスを提供することが、企業にとって重要な差別化要因となります。

最後に「梱包」は、安全に顧客に届けるために商品を宅配袋や段ボールに入れることを言います。これは、商品を保護し、輸送中の破損を防ぐために不可欠な工程です。物流会社は日々、数千、数万件の出荷を行っているため、梱包資材を大量に、かつ低コストで仕入れることができるという利点があります。また、商品の種類や輸送方法に応じて、最も適切な梱包方法を選択する専門知識も、物流会社が提供できる価値の一つです。この部分でもアウトソーシングのメリットを感じるかもしれません。

出荷

出荷も入荷と同じく、検品をしながら出荷します。出荷予定表に書かれた商品が全て出荷できているかをチェックします。こうした細心の注意を払った検品作業により、誤出荷のリスクを最小限にします。

長年にわたる運送会社との取引関係から、物流会社は通常よりも低い運賃でサービスを提供できることが多く、このコスト削減は最終的にクライアント企業にとっての大きなメリットとなります。さらに、物流会社は梱包から配送手配までの出荷工程全体を一手に担うことで、出荷の迅速化とコスト効率の向上を実現します。

出荷工程における物流アウトソーシングの利用は、単にコスト削減だけではなく、出荷の正確性を高め、顧客サービスの質を向上させることになります。商品が適切に梱包され、迅速かつ安全に顧客に届けられることは、企業のブランドイメージを高める上で重要であります。

返品処理

物販ビジネスにおいて避けて通れない一つの大きな課題が、返品があるということです。そのため、物流でも「返品処理」が発生します。

返品された商品が荷主企業に直接返送されるケースもあれば、多くの場合、物流会社がその処理を一手に引き受けます。返品された商品は、まず物流会社によって検品され、その商品が再販可能な状態にあるかどうかを判断します。このプロセスには、商品の状態を詳細にチェックします。

再販が可能と判断された商品は、適切な処理を経て再び在庫に加えられます。一方で、再販が困難と判断された商品は、B品として別途管理されるか、場合によっては破棄されることになります。このような処理を通じて、物流アウトソーシングは、返品された商品の有効活用と、在庫の正確性を確保するための役割を果たします。

棚卸

最後に「棚御」です。通常、決算期や荷主の指定した特定のタイミングで行われるこの作業は、保管されている全商品をバーコードスキャンし、その数量を正確に把握することにより、帳簿上の在庫数と物理的な在庫数との間に差異がないかを確認します。

帳簿の数と現物在庫の数に差異が発生すれば、商品を紛失したか、誤出荷したことになります。そのため、物流会社としては棚卸の結果はいわば成績表と言えます。物流会社が目指す「ファイブナイン」とは、99.999%の在庫精度を意味し、この水準を達成することができれば、極めて高い物流サービス品質を保持していると評価されます。

棚卸作業を物流アウトソーシングサービスに委託するメリットは大きく、荷主企業はこの複雑で時間を要する作業を任せることで、自社のリソースをより生産的な活動に集中させることができます。

物流アウトソーシングのメリット

3PLのメリット・デメリット
それでは、物流をアウトソーシングすることで、生まれるメリットを紹介します。

商品企画や販促活動に専念できる

物販会社の中には発送業務に追われて、企画部門やマーケティング部門のスタッフが発送業務を手伝っている会社もありますが、賢明とは言えません。というのも、物販会社にとって、売れる商品を企画することや、売れるようにマーケティング活動していくことが本来の業務です。

忙しいからと言って、別部門のスタッフが物流部門に駆り出されてしまうと、本来の業務である商品企画や販促活動が疎かになってしまいます。

物流をアウトソーシングすることにより、企業は物流業務をプロによる高品質なサービスを受けられるだけでなく、自社のコアコンピテンスに焦点を当て、市場での差別化とブランド価値の向上を図ることができます。結果として、商品企画や販促活動における新たなアイデアや戦略を積極的に推進することが可能となり、これが売上の拡大へと直結するのです。

コストが削減できる

本来、業務をアウトソーシングすると、委託先が利益を取るため、一般的に、業務のアウトソーシングは追加のコストが発生すると考えられがちですが、物流分野ではこの常識が当てはまりません。というのも、物流はノウハウ次第で大幅にコストダウンできます。物流は継続的なランニングコストであるため、小さな無駄でも長い目で見えると大きな無駄となり大きな損失となります。

物流会社は、多様な荷主のニーズに対応するため、物流の最適化に日々取り組んでいます。PDCAサイクルを用いた継続的な改善により、運送ルートの最適化、倉庫の効率的な管理、在庫の精密なコントロールなど、コスト削減の機会を常に追求しています。これにより、物流会社は運送コストの削減、倉庫管理費用の低減、在庫コストの削減といった形で、明確なコスト削減効果を企業に提供できるのです。

また、物流アウトソーシングにより、企業は自社の物流インフラへの投資や運用コストを削減できます。物流設備やシステムに投資する必要がなくなるだけでなく、物流に関連する人件費や管理コストも削減できるため、これらの資源を別な所に回すことが可能になります。

自社物流で右往左往するよりも、早い段階で物流会社にアウトソーシングした方が、結果的にコストが削減できる可能性は高まります。

物流品質が向上する

物流品質とは、物流業務のそれぞれの作業の品質のことを言います。この記事では、物流アウトソーシングの対象項目として、入荷~出荷、返品処理や棚卸があることを先に説明しましたが、それらすべてに適切な品質管理が求められます。

それぞれの作業の品質が悪ければ、大事な商品を破損したり、紛失したり、誤出荷といった問題が発生し、企業にとって重大な損失やリスクにつながります。

特に、誤出荷は顧客への直接的な迷惑だけでなく、商品到着の遅れや個人情報の流出といった二次的な問題を引き起こす可能性があり、企業の信頼性や顧客満足度に大きな影響を与えます。オンライン販売を行う企業にとっては、顧客のレビューや評価の低下が直接的な売上減少につながり、企業のブランド価値を損なうことにもなりかねません。また、BtoB取引においては、異物混入など品質管理の不備が原因で取引の停止という事態に至る可能性もあります。企業にとって避けられない大きなリスクです。

物流会社であれば、すべての作業を適切に管理しているため、ミスが発生しにくいです。万が一、ミスが発生した場合でも、原因追及し、以後同じミスが発生しないように仕組みを整えてくれます。

機会損失を招かない

物販で成功する企業の中にも、ゆっくりと成長する企業もあれば、テレビや雑誌などに取り上げられ、急激に成長する企業もあります。後者の場合は、急な出荷増で物流部門が対応しきれず、商品発送が遅延するケースもあります。

商品のお届け日数が増えれば増えるほど、顧客の購買意欲は下がりますので、次の売上に影響が出ます。他にも、プロモーションやマーケティングに予算をかけている場合は、費用対効果が悪くなるため、利益を圧迫することにも繋がります。

物流会社にアウトソーシングすれば、出荷キャパが増えるのはもちろんのこと、SALEなど一時的に出荷が増えたとしても、しっかりと対応してもらうことができるため、安心できます。

物流アウトソーシングは、成長するビジネスを支え、機会損失を最小限に抑えるための有効な手段となります。

物流アウトソーシングのデメリット

物流アウトソーシングには多くのメリットがありますが、少なからずデメリットもあります。

イレギュラー対応が難しい

自社物流と物流アウトソーシングでは、少し状況が変わってくる部分があります。以下については、注意が必要です。

例えば、顧客から商品について具体的な問い合わせがあった場合、自社物流であればスタッフが直接倉庫に行き、商品の状態を確認することができます。しかし、物流をアウトソーシングしている場合は、物流会社のスタッフがその役割を担うことになりますが、時間がかかる可能性があります。そのため、顧客への返答までに時間がかかることや、情報の正確性が懸念される場合があります。

また、集荷時間が過ぎた後の急な出荷要望に関しても、自社物流の場合は柔軟に対応できる可能性がありますが、物流会社では多くの荷主の貨物を取り扱っているため、出荷工程がより厳格になっております。これにより、締め切り時間が自社物流よりも早く設定されている場合が多く、急ぎの出荷に対応できないことがあります。

このように、物流アウトソーシングではイレギュラーな状況への対応が難しい面があるため、事前に物流会社との間で詳細なコミュニケーションを取り、可能な限り対応策を検討しておくことが重要です。たとえば、特定の問い合わせに対して物流会社がどのように対応できるか、また急な出荷についてはどの程度の柔軟性があるかなど、事前に確認しておくことで、スムーズになります。

自社にノウハウが蓄積されない

これはアウトソーシングであれば、全てに共通することですが、自社にノウハウは貯まりません。ノウハウを貯めるためには、自社で物流を管理し、PDCAサイクルを回していく必要があります。

自社で物流ノウハウを蓄積したい場合、3PLサービスプロバイダーが提供する物流コンサルティングサービスを利用するのが一つの解決策です。このようなサービスを利用することで、物流の専門家から直接アドバイスやサポートを受けることが可能となり、自社の物流運営の質を向上させると同時に、内部でのノウハウの蓄積も図ることができます。物流の課題を効率的に解決するだけでなく、長期的には自社の物流運営能力の向上にもつながるため、物流コンサルティングサービスの利用は、ノウハウ蓄積の観点からも有効な手段と言えるでしょう。

物流アウトソーシングを検討するタイミング

物流アウトソーシングのタイミング
それでは、物流アウトソーシングはいつのタイミングで検討すれば良いでしょうか?多くの企業が以下のタイミングで検討しています。

出荷が追い付かなくなった時

出荷が追い付かなくなった時、経営者として判断する選択肢には以下2つの選択肢があります。

自社に物流スタッフを増やし、人海戦術で乗り越えていく
自社の物流部門をアウトソーシングする

自社内に物流スタッフを追加採用し、増員によって出荷作業の増加に対応する方法です。このアプローチでは、出荷作業の量が増えれば増えるほど、その分だけ人手を増やす必要が出てきます。しかし、近年は人手不足の問題が深刻化しており、また最低賃金の上昇もあり、新たなスタッフを採用し維持するコストは年々高まっています。さらに、将来的に売上が低迷し人員削減を余儀なくされた場合、雇用を解除する過程で企業は大きな労力とコストを負担することになりかねません。

自社の物流部門をアウトソーシングすれば、人材採用の難しさや人件費の上昇といった問題から解放されます。

在庫増でスペースが足りなくなった時

物販である以上、売上が上がれば在庫スペースも拡大する必要があります。単品通販であればその影響は少ないかもしれませんが、総合通販であれば影響は大きいでしょう。こちらも経営者としては以下2つの選択肢があります。

新しい在庫スペースを確保する
自社の物流部門をアウトソーシングする

自社で新しい在庫スペースを確保するのも一つの手ですが、正しい物流の知識がなければ、どんな物件を見つければ良いのか判断がつきません。物流のプロは商材の特性から倉庫を選び、保管エリアや作業エリア、導線などを図面に起こしながら、適切にレイアウトします。

生産性を考えると、自社の物流部門をアウトソーシングした方が良いと判断できます。

安定して売上増が見込めると判断した時

最後、重要な要素ですが、安定して売上の拡大が見込める場合は、すぐにでもアウトソーシングを検討してください。アウトソーシングすることで、物流に悩みを抱える必要がなくなるため、販促活動に専念できます。

反対に、売上が不安定な場合は、慎重に検討しましょう。売上が減って出荷件数が少なくなれば、アウトソーシングのメリットをあまり感じることができません。

物流会社選びのコツは「実績」を確認すること

実績
デメリットでも挙げましたが、自社に適した物流会社を選ぶのは難しいです。特に価格から選ぶのは危険です。というのも、各会社提供しているサービス内容が違えば、物流品質も違うので、一概に価格だけで選ぶことはできません。

そのため、実績から選ぶことをおすすめします。特に以下の実績を確認するようにしましょう。

商材の実績

まずは商材です。商材次第で作業内容がガラっと変わります。その中でも特に在庫管理は影響が大きいです。ここでは商材ごとに、どんな物流施設が必要か記載します。

アパレル・・・棚保管、ケース保管、ハンガー保管に対応し、アパレル流通加工に対応している物流倉庫
食品・・・冷蔵保管、冷凍保管に対応し、衛生管理の品質が高い物流倉庫
化粧品・・・「化粧品製造許可」を取得した物流倉庫
医療機器・・・「高度管理医療機器等販売業貸与業許可」を取得した物流倉庫
医薬品、医薬部外品・・・「医薬品製造業許可」、「医薬部外品製造業許可」を取得した物流倉庫

EC物流の実績

EC物流も実績がないと難しいです。EC物流はECモールやECカートから受注データをダウンロードして、WMSに取り込み、出荷作業を行います。そのため、物流会社が様々なECシステムに対応したWMS(倉庫管理システム)を持っていないと、対応することがができません。

EC物流の特性上、消費者一人ひとりのニーズに細かく対応することが求められます。たとえば、贈り物として購入される商品に対するのし対応や、ギフトラッピングなど、消費者からの多様なリクエストに応えるためには、物流会社が専門の流通加工部門を持ち、それぞれの要望に対して柔軟に対応できる体制が必要となります。

さらには出荷スピードも求められます。近年のECビジネスはお届け日数が重要なカギを握ります。注文してから商品が届くまでの日数が短ければ短いほど、購入率はアップします。

BtoB、BtoCの実績

BtoB物流の実績しかない会社にBtoC物流をこなすことは困難です。反対も同じです。

BtoB物流は基本、ケースで入荷し、保管、そして出荷します。逆にBtoC物流はケースで入荷したものを開封して、商品ごとに棚で保管し、ピース単位でピッキングして出荷します。つまり、そもそもの倉庫管理の仕組みが違います。

一番良いのは、両方とも経験がある物流会社です。今、自社がどちらか一方しか必要なかったとしても、どちらも対応できる会社であれば、ビジネスチャンスが広がります。その場合、両方できる物流会社だと、在庫の一元管理を任せることができるので、無駄を省くことが可能です。

物流のアウトソーシングのスケジュールの組み方

委託側の会社にとって、物流のアウトソーシングは一大イベントです。焦ってしまったが故に、間違った物流会社を選んでしまうと、トラブルが発生し、最悪の場合、出荷が止まってしまいます。そうなると顧客に迷惑をかけてしまいます。そうならないためにも、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

以下はアパレルの販促カレンダーに物流のアウトソーシングカレンダーを足したものです。参考にしてください。
物流アウトソーシングカレンダー

アウトソーシング検討~契約までに必要な期間

物流アウトソーシングを検討してから、契約までにはおよそ2~3ヶ月ほどの期間を要します。「何故2~3ヶ月もかかるの?」と思われた方も多いかと思いますが、初めに、企業は自社のニーズに合ったサービスを提供できる複数の物流会社をピックアップし、それぞれからコンペティション形式で見積もりを取ります。見積もりの精査、そして、各物流会社の倉庫を見学することを考えると、実はこのぐらいが妥当です。ここでは先述の通り、実績を重視して選ぶようにしましょう。

契約~稼働までに必要な期間

次に、アウトソーシングする物流会社が決まったら、1~2ヶ月かけて詳細な打ち合わせを行います。主な打ち合わせ内容は以下の通りです。
自社の管理システムと物流会社のWMSの連携
ヤマト、佐川、日本郵便など運送会社との調整
入出荷指示など運用ルールの擦り合わせ
在庫を物流会社に移す際の日程や運送方法

物流会社も自社のことであれば、ある程度調整ができますが、外部システムとの連携やチャーター便の手配など、第三者と調整が必要な部分にはそれぞれ1~2週間ほどの時間を要します。

特にBtoB物流における量販店への出荷については、値札や納入明細書の検収が必要になる場合があり、最短でも1週間~長ければ切り替え申請に1ヵ月ほど要する場合もあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?物流アウトソーシングの役割やメリット、物流会社選定について理解が深まったと思います。

弊社トミーズコーポレーションは様々な機能を持った物流会社です。アパレル物流28年の実績をはじめ、近年では雑貨や家具など他ジャンルの商材にも豊富な実績がございます。

また、BtoB物流とBtoC物流の両方に実績があり、在庫の一元管理が可能です。その他、ECに特化したクラウドWMS「BEELOGI」を導入しており、EC物流30,000件/日の出荷実績がございます。

物流会社のアウトソーシングを検討されている場合は、お気軽にお問合せください。

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