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公開日: 2021/08/02
更新日: 2025/07/15

WMS(倉庫管理システム)とは?導入のメリットや選び方について解説します

カテゴリ:EC通販業務について

about_wms


自社の倉庫管理で悩まれている方なら一度や二度、「WMS」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。本日は物流倉庫や物流センターで利用されているWMSについて解説するとともに、WMS導入のメリットやデメリット、選び方について解説したいと思います。

WMSとは

WMS

WMSの定義と概要

WMS(Warehouse Management System/倉庫管理システム)とは、倉庫や物流センターで製品の保管や流れを効率的に管理するシステムです。在庫管理はもちろん、入荷検品、ロケーション管理、ピッキング、出荷、棚卸など、さまざまな作業に活用されます。

メーカー、卸売業、小売業、EC事業など幅広い業種で導入されており、倉庫作業の標準化・効率化を図るうえで欠かせない存在です。また、リアルタイムで作業を「見える化」し、物流全体の最適化にも貢献します。

WMSの基本機能

WMSには以下のような基本機能があります

在庫管理:入荷商品の数量や保管場所を正確に把握し、在庫の過不足を防止。
ロケーション管理:棚ごとの保管情報をデータ化し、ピッキングの迅速化・精度向上を支援。
ピッキング支援:指示に基づき商品を正確に取り出す作業を自動化・効率化。
出荷管理:出荷情報を正確に管理し、誤出荷の防止。
棚卸:実在庫と帳簿上の在庫を定期的に照合し、在庫精度を維持。

また、多くのWMSではバーコードを活用し、在庫の移動や保管状況をリアルタイムで追跡可能です。これにより、正確な在庫管理と効率的な倉庫運営が実現します。

基幹システムとの違い

基幹システム(ERP:Enterprise Resource Planning)にも在庫管理機能はありますが、これは帳簿上の在庫、つまり「理論在庫」の管理を目的としています。
一方、WMSは現場で保管されている実在庫を正確に把握・管理するためのシステムです。

「誤出荷を減らしたい」「作業効率を上げて物流コストを抑えたい」といった現場の課題は、基幹システムだけでは解決が難しいのが現実です。
WMSはこうした課題を解決するために、コスト削減や生産性向上を支える重要なツールとして、多くの企業で導入が進んでいます。

基幹システムにWMSの機能がない理由

一見するとWMSの機能も基幹システムに含めた方が便利に思えますが、倉庫管理には専用の多機能な仕組みが求められるため、統合するとシステムが煩雑になり、かえって業務効率を下げてしまいます。

そのため、WMSは独立したシステムとして構築・運用されるのが一般的です。ただし、在庫データの連携など一部機能は基幹システムと接続し、両者の強みを活かした在庫管理が可能です。

WMSの歴史と進化

1970年代: 汎用コンピューターの時代

WMSの起源は1970年代。汎用コンピューターで自動倉庫や搬送機器を制御する仕組みが導入され、倉庫作業の機械化・効率化が進みました。

1990年代: ERPシステムの一部として

1990年代になると、WMSはERPのモジュールとして取り入れられ、在庫管理だけでなく調達・製造・販売など一連の業務プロセスと連携するようになりました。
この時期から、WMSはSCMの重要な一翼を担う存在へと進化していきます。

2000年代以降: 進化と発展

2000年代以降はITの発展により、クラウド型WMSが登場中小企業でも低コストで導入できるようになり、リアルタイム在庫確認や作業効率の向上が実現しました。

WMSの活用分野の拡大

WMSは単なる倉庫管理ツールから、さまざまな業界の現場課題を支える重要なシステムとして活躍の場を広げています。

生産管理や工程管理との連携

製造業では、生産スケジューリングや在庫最適化に活用され、生産ラインの効率化を実現しています。

小売業やECコマースでの活用

入出荷・配送の迅速化に貢献。とくにEC分野では、正確でスピーディーな出荷体制を支える基盤となっています。

医療・製薬業界での活用

医療・製薬業界では、厳格なトレーサビリティに対応し、医薬品の在庫追跡と品質管理を強化しています。

今後はIoT・AI・ロボティクスとの融合によって、WMSはさらに進化し、サプライチェーン全体の高度な最適化に貢献する存在になると期待されています。

AIと機械学習の活用

近年、一部の先進的なWMSでは、AI(人工知能)や機械学習の技術を取り入れ、物流業務の効率化や最適化を目指す取り組みが始まっています。これらの技術は、過去の販売実績やトレンド、季節要因などの膨大なデータをもとに、需要予測や在庫補充の最適化、ピッキングルートの効率化などに活用されます。たとえば、需要予測に基づいて適切な在庫を確保することで欠品や過剰在庫を防ぎ、補充タイミングの自動化により在庫回転率やコスト効率の向上が期待されます。また、倉庫内の作業データをもとに、ピッキング作業の最短ルートを提示したり、異常な在庫の動きや発注パターンをリアルタイムで検知する機能も開発が進んでいます。現時点でAI機能を本格的に搭載しているWMSは限られていますが、今後の技術進化により、その活用範囲はさらに広がっていくことが期待されます。このように、WMSは従来の管理ツールから、データに基づいた意思決定を支援する次世代のシステムへと進化しつつあるのです。

WMS導入のメリット

WMS導入のメリット・デメリット
WMSを導入することで様々なメリットがあります。

メリット 具体的な効果
作業ミスの削減 バーコード検品・照合により誤出荷や数え間違いを防止
作業効率の向上 ロケーション管理によりピッキングがスムーズに
作業のマニュアル化 作業手順の統一により新人でも短期間で即戦力に
在庫精度の向上 リアルタイムで在庫数を把握、欠品・過剰在庫を防止
作業の見える化 工程別データを把握し、ボトルネックの可視化が可能
意思決定の迅速化 現場データに基づくマネジメントが可能に
従業員の意識向上 自分の作業が業務全体に与える影響を理解しやすくなる

WMS導入のデメリット

WMS導入は確かに便利で役立つものですが、導入する上でハードルがあるのも確かです。導入前にしっかりと確認しておきましょう。

デメリット 具体的な影響・課題
バーコード準備が必要 全製品へのバーコード付与に工数と費用がかかる
初期導入コストが高い オンプレ型ではサーバー・ライセンス費が高額になりやすい
システム連携の難易度 既存システムとの接続に専門知識が必要
運用・保守のコスト アップデートやサポートに継続的なコストが発生

導入事例と成功例

事例1:小売企業

全国に複数の店舗と倉庫を展開する小売企業では、商品の種類が多く、季節ごとの在庫変動が激しいことから、在庫管理の精度と倉庫作業の効率改善が課題となっていました。導入前は手作業での在庫管理やピッキングが中心で、作業ミスや在庫数の不一致が頻発し、さらに作業の属人化により新人教育にも時間を要していました。

WMS導入後は、商品のバーコード化によって入出庫時のスキャンによるリアルタイム在庫更新が可能となり、在庫精度が大幅に向上。ピッキングリストの電子化と最適ルートの自動指示により作業時間が短縮され、出荷ミスも減少しました。また、作業手順がマニュアル化されたことで新人でもすぐに業務に対応できるようになり、全体の作業品質も均一化。結果として、誤出荷や返品の減少により物流コストが10%以上削減され、業務の効率化と顧客満足度の向上を同時に実現することができました。

事例2: 製造業

多品種少量生産を行う製造業では、在庫管理と生産計画の連携が課題でした。特にロット管理や品質情報の把握が複雑で、手作業による記録ミスや情報の遅延が多く発生しており、また急な受注増にも柔軟に対応できる体制づくりが求められていました。

WMS導入により、製品にRFIDタグを付けて製造から出荷までの追跡を可能にし、ロットごとの在庫状況や品質情報をリアルタイムで把握できるようになりました。また、ERPとWMSを連携させることで生産計画と在庫情報を統合し、需要予測に基づいた在庫補充が可能となり、過剰在庫や欠品が削減されました。作業面でも、入出庫管理やピッキングの自動化によって業務時間が短縮され、RFIDによる非接触スキャンで作業ミスも減少。これらの効果により納期遵守率が向上し、急な注文にも対応可能となったことで顧客からの信頼も向上し、リピート率の増加につながりました。結果として、WMSは業務全体の生産性と競争力の向上に大きく貢献しています。

WMS導入におけるよくある質問

初期費用について

WMSの初期費用は、企業規模や必要な機能、導入形態(オンプレミス型かクラウド型か)によって大きく異なります。オンプレミス型は、サーバーやネットワーク機器、ソフトウェアライセンス、システム設置・設定などにかかるコストを含め、数百万円から数千万円規模になるケースが一般的です。一方、クラウド型WMSは初期費用を抑えて導入でき、月額数万円から数十万円程度のサブスクリプションで運用できます。クラウド型はハードウェアの設置が不要で、ネット環境があればすぐに利用を開始できるため、特に中小企業にとって導入しやすい選択肢です。なお、初期費用にはソフトウェアライセンス費用、ハードウェア(スキャナーやハンディ端末)費用、既存システムとの連携やカスタマイズにかかる費用、そしてスタッフへの操作教育費などが含まれるため、導入効果と照らし合わせて十分に検討することが大切です。

導入期間について

WMSの導入には通常3〜6ヶ月程度かかりますが、これは企業の業務規模やカスタマイズの内容によって前後します。導入プロセスは、自社業務の洗い出しと必要機能の明確化(要件定義)、ベンダーの比較・選定、システム設計・カスタマイズ、ソフトウェア導入・初期設定、テスト運用、スタッフ教育、本番稼働という流れで進行します。各フェーズを計画的に進めるためには、プロジェクトマネジメントが不可欠です。スケジュールの遅延や設定ミスを防ぐためにも、社内外の関係者との連携と情報共有を密にしながら導入を進めることが、成功への鍵となります。

運用サポートについて

WMSを安定的に活用していくには、導入後のサポート体制が非常に重要です。多くのWMSベンダーでは、24時間対応のサポートデスクを提供しており、トラブル発生時でも迅速に対応可能です。また、定期的なシステムアップデートにより、常に最新機能やセキュリティ対策を維持できるのもクラウド型WMSの大きな利点です。さらに、操作説明や新機能の活用法に関するトレーニングプログラム、業務の変化に対応するためのカスタマイズや追加機能開発の支援など、運用フェーズにおけるさまざまな支援が整っています。ベンダーによってサポート内容には差があるため、自社の体制や将来の業務変化に対応できるかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

WMSの選ぶポイント

クラウド型のWMSがおすすめ

WMSを導入する際は、初期費用と運用のしやすさからクラウド型のWMSが非常におすすめです。従来のオンプレミス型では、数百万円〜数千万円の初期投資が必要でしたが、クラウド型であれば月額数万円から利用でき、サーバーの設置や保守が不要なため、初期費用を大きく抑えることが可能です。また、インターネット環境さえあればどこからでもアクセスできるため、複数拠点やテレワーク環境でも柔軟に対応できます。さらに、常に最新バージョンが自動で提供されるため、システムの安定性やセキュリティ対策も万全です。特にコスト面と運用の手軽さを重視する企業には、クラウド型が適しています。

スマートフォン型のハンディがおすすめ

WMSと連携するハンディ端末には高価な専用機器もありますが、スマートフォンをハンディとして利用できるWMSであれば、導入コストを大幅に抑えることができます。スマートフォン型は汎用性が高く、4Gや5Gなどのモバイル通信に対応しているため、Wi-Fi工事が不要で、倉庫以外の場所でもリアルタイムに操作可能です。特に複数倉庫や外出先での業務がある場合に効果的です。加えて、多くの従業員が日常的に使用しているスマートフォンを業務にも活用することで、操作の習得が早く、教育コストを抑えられるという利点もあります。

自社に必要な機能があるか

WMSには多くの製品・種類があり、どのシステムを選ぶかは「自社に本当に必要な機能が備わっているか」が最も重要なポイントです。たとえば、作業ミスを減らしたい場合は、音声でエラーを知らせるアラート機能、複数店舗を運営している場合はワンタッチで切り替えられる店舗切り替え機能、ECとの連携が必要な場合はデータマッピング機能などが挙げられます。また、伝票の自動振り分けやピッキングの優先順位付けといった機能も、作業効率を高めるうえで非常に有効です。

こうした機能が自社の業務にどう役立つのかを明確にし、必要な機能を整理したうえで製品を比較検討することが重要です。加えて、導入後のサポート体制や将来的な業務拡張に対応できる柔軟性があるかどうかも、選定時の大切な評価ポイントです。最終的には、複数のベンダーから見積もりを取り、価格と機能、サポートのバランスを総合的に判断して、最適なWMSを選びましょう。

クラウドWMS「BEELOGI(ビーロジ」をご紹介

クラウドWMS「ビーロジ」
弊社トミーズコーポレーションが提供する「BEELOGI(ビーロジ)」は、EC業務に特化したクラウド型のWMSです。月額制で初期コストを抑えつつ、在庫管理・入出荷・ピッキングなど倉庫業務を一元管理できる機能を備えています。インターネット環境があればどこからでもアクセス可能で、複数拠点の管理にも対応。直感的な操作画面で、初めての方でも短期間で利用開始できます。

主な特長は以下のとおりです

リアルタイム在庫管理:在庫状況を常に最新状態で把握し、過不足やミスを防止
柔軟な拡張性:企業の成長や季節波動に合わせたカスタマイズが可能
多機能なピッキングシステム:ピッキングリストの最適化やバーコードスキャンによるピッキングで作業効率アップ
多拠点管理:全国の倉庫や支店を一元管理、在庫調整もスムーズ
データ分析とレポート機能:各種CSVファイルを出力により業務改善を支援

導入企業からは「在庫精度が向上した」「物流コストが削減できた」といった高評価をいただいており、ECとのスムーズな連携によるリードタイム短縮と顧客満足度向上にもつながっています。

デモも実施中ですので、ご興味がある方はお気軽にお問い合わせください。トミーズコーポレーションが、導入から運用までしっかりとサポートいたします。

クラウド型WMSの導入を検討中ならBEELOGIがおすすめ

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