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公開日: 2021/05/24

3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは?物流外部委託のメリット・デメリットを紹介

カテゴリ:物流業務について

サードパーディーロジスティクス

年々、様々な背景から企業に求められる物流レベルは高まりつつあります。そのため、自社の物流機能を外部の企業に委託する物流アウトソーシングが普及するようになりました。そこで良く耳にするのが3PLという言葉。本日は3PLについて詳しく解説いたします。

3PLとは?

3PL図式
3PLとはサードパーティー・ロジスティクス(Third Party Logistics)の略語でThirdは3rdとも表記されます。日本では「サンピーエル」や「スリーピーエル」という呼び方で普及しています。シンプルに言えば物流サービスを商品として提供する物流ビジネスです。ファーストパーティーが売り手であるメーカー、セカンドパーティーが買い手である卸や小売とした場合、荷主企業であるメーカーの物流部門を請け負う第三者をサードパーティーと定義しています。

「モノ」を扱う企業にとって物流は経営上必要不可欠な存在であり、経営戦略の一環として今最も見直すべき対象と言えます。物流には輸送、保管、荷役、包装、流通加工、情報等の6つの機能が必要であることは、以前の記事「物流とは?目的やメリットなど基礎知識から徹底解説いたします」でも説明していますが、3PLは企業のそれらの物流機能を請け負ってくれます。

3plの定義
また、3PLにはいろいろな解釈があり、メーカーや卸、小売などの荷主企業をファーストパーティー、輸送機能を持つ企業をセカンドパーティー、輸送機能を持たない企業をサードパーティーと定義する場合もあります。この場合の3PLは荷主向けに物流システムを含めた物流戦略のコンサルティング提案をしたり、代わりに企業の物流センターを運用するといった役割を担います。

国土交通省が3PLについて「荷主に対して、物流改革を提案し、包括して物流業務を受託する新しいサービス」(総合物流施策大綱)と説明しているとおり、請け負う役割の対象範囲はその時々で多少変わってくるものの、3PLは物流を経営戦略の一環として捉え、荷主企業の物流機能を包括的に請け負うサービスであることに違いはありません。

3PLの由来

元々、輸送を手配するフォワーダー(利用運送業者)やブローカーなど荷主企業と運送業者の間に介在する第三者のことを3PLと呼んでいました。しかしながら、1990年代のアメリカではそのような第三者が輸送や保管だけではない新しい複合的な物流サービスを開始しました。その後その動きが活発になり、さまざまな物流業者が新しい物流サービスを提供するようになりました。現在認知されている3PLはこの動きから始まったと考えられています。

3PLが求められている背景

グローバルビジネス
3PLが必要とされている背景として経済のグローバル化が考えられます。グローバル化が進むと、企業は世界規模でより厳しい競争を強いられます。そうなると企業はコア・コンピタンス(Core Competence:中核的能力)と呼ばれるようにヒト・カネ・モノ等の経営資源を競争力の強化につながる重要な部門に集中的に投下するようになります。

例えばメーカーがグローバル社会で競争していくためには製品価値を上げていく必要がありますが、当然そのエネルギーは開発部門や生産部門に割り当てられることになります。そうなるとそれら以外の部門はコスト削減のためアウトソーシング(外部委託)されるようになります。特に物流は管理・運営が難しく、メーカーが自社で運営してしまうと返ってコスト高になる傾向にあります。また、世間一般的に物流部門はコスト部門という認識も定着しているため、アウトソーシングの対象になりやすいと言えます。

しかしながら、近年は顧客ファーストの考え方が定着しており、企業が顧客の高い要望に応えていくためには物流を経営戦略の一環として捉え、自社サービスの付加価値を根底から上げていく必要が出てきました。そのため、ただ単にコスト削減のためだけではなく、顧客満足度を向上させるためのベース戦略として物流を高いレベルで運営できるプロに任せるといった動きが加速しています。

数字で見る3PLの市場規模

上記を裏付けるように実際に3PLの市場は拡大しています。以下は平成20年3月の国土交通省の調査報告です。

平成 18 年度における3PL事業の市場規模は約1兆 5,315 億円(物流部門売上高に占めるシェア 8.7%)と推計される。また、平成 23 年度における3PL事業の市場規模は約 2 兆 2,314 億円(同シェア 11.2%)と5年間で 45.7%の伸び率となり、物流業全体の市場規模の伸び(同 13.2%)を大きく上回る。

国土交通省「国際競争力強化のための我が国3PL施設整備におけるアウトソーシングの現状及び今後の予測に関する調査

3PLの種類


3PLには大きく分けて二つの種類が存在します。

アセット型

アセットは英語でassetとなり資産という意味を持ちます。3PL業者が自社の施設やトラック、情報システム等の資産を用いて物流サービスを提供することを言います。

ノンアセット型

ノンアセット型はアセット型の対義となり、3PL業者は物流ノウハウのみを保有し、他社の資産を用いてサービスを提供することを言います。物流に関する知識(ノリッジ)だけを提供するという意味合いで、別名「ノリッジベース型」とも言われる場合もあります。

3PLのメリット・デメリット

3PLのメリット・デメリット
3PLにはメリットとデメリットが存在します。

メリット

まず考えられるのが物流品質の向上です。物流には6つの機能があることを説明しましたが、全ての機能に品質が存在し、プロである3PL業者に委託することで品質を向上することができます。結果的に荷主企業の物流品質は顧客が満足するレベルに到達するでしょう。
他にはリードタイムを短縮することが可能です。最近では顧客からあたりまえのように翌日出荷や当日出荷が求められますが、それらを実現するためには高いレベルで物流体制を整えている必要があります。施設や設備、人材等3PL業者がコストをかけて構築した環境をそのまま利用できることは荷主企業にとって何よりもメリットとなるでしょう。
最後に考えらえるメリットがコスト削減です。物流の知識がある3PL業者に依頼することでありとあらゆる業務課題が解決し、効率的に物流センターを運営してくれます。

デメリット

少なからずデメリットも存在します。デメリットの一つとして考えらえるのが情報漏洩のリスクです。自社の情報、特に個人情報を含む顧客情報を第三に委託することは一定数リスクが存在します。そのため、信頼のできる業者選びが重要です。また、その他のデメリットとして自社にノウハウが溜まらないことが考えられます。自社で対応していれば苦労はしてもその反面、自社の物流知識は向上するはずです。しかしながら、昨今では顧客が求める物流品質が自社で対応できるレベルを遥かに超えてきているのも事実で、末永く付き合えるパートナーとして3PL業者を利用する企業も増えています。

3PL業者の選び方

3PLのコンサルティング
3PL業者といっても規模や能力は様々です。そのため、3PL業者を選定する際には注意が必要です。今回は3PL業者を選ぶにあたってのポイントを3つ紹介いたします。

コンサルティング能力

一つはコンサルティング能力です。そもそも荷主企業となる委託側の企業は自社の物流システムが非効率で、物流サービスの品質が低かったり、物流コストが高かったりと課題を感じています。その課題を解決するためには3PLとなる受託側の企業に優秀なコンサルタントが必要です。優秀なコンサルタントがいれば、物流のボトルネックを的確に捉えるのはもちろん、物流システムの制度設計を含めて良い企画を提案してくれるでしょう。

情報システム構築能力

現代の物流には情報システムが必要不可欠です。物流で使用されているシステムは様々ですが、代表的なものにEDI(電子データ交換)があります。EDIを導入すれば、発注側が入力した注文データが取引先のコンピュータに受注データとして自動登録されるため、書類の作成や郵送作業が必要なくなり、業務を効率化できます。特に量販店等では共通のEDIシステムを導入していることから、量販店との取引を行うためにはEDI対応は必須となります。

次に有名なのは入出荷管理や在庫管理等、物流センターの一連の作業を支援するためのWMSと呼ばれる倉庫管理システムです。ハンディーターミナル(業務端末)によるバーコード管理で「モノ」をデータとして管理します。
また、輸送管理システムであるTMSも重要です。物流センターからの配送を効率的に行うためには必要不可欠と言えるでしょう。

これらのシステムを荷主企業の要件に合わせて構築及び提案するためにはシステムエンジニア(SE)と呼ばれる人材が必要です。優秀なシステムエンジニアがいれば、もし仮に上記のような物流システムと荷主企業の基幹システムとのデータ連携で課題があったとしても、データ連携するためのツールを別途開発してくれることでしょう。

物流センターの運営能力

3PLの要となるのが物流センターの運営管理です。というのも輸送部分については大手運送会社が実権を握っており、すべての中小企業が大手3PL企業と取引ができるかというとそうではありません。そのため、中小企業を対象とした物流センター特化型の3PLも多く存在します。

物流センターは入荷→保管→在庫管理→ピッキング→梱包→出荷といった物流倉庫内の作業を一連の作業として管理する重要なセクションです。注文から納品までのリードタイム短縮はもちろん、誤出荷が発生しない仕組み、そして何より効率化によるコストダウンが求められます。それらを実現するためには施設や設備はもちろん、PDCAサイクルを高速回転していくための運営体制も要になります。

物流センターはいわば3PLの品質とも言えるセクションであり、3PL業者のノウハウ次第で品質にもコストにも大きな差が生まれるセクションでもあります。

まとめ

いかがでしたでしょうか?物流アウトソーシングが流行している今、自社に合った失敗しない3PL業者の選定が重要です。

弊社トミーズコーポレーションは中小企業を対象としていることから輸送機能は保持しないものの、アパレルに特化した物流センターとして多くのアパレル企業様を3PLの視点からサポートしてまいりました。しまむら様や各種ホームセンター様など量販店との取引に必須となるEDIシステムの連携に豊富な実績があります。また、最近のECの需要拡大を背景とした企業様のEC参入、EC化率向上のお手伝いができるように、ありとあらゆるECシステムとの連携を可能にしています。自社の物流機能を3PL業者に委託検討されている場合はまずはお気軽にお問合せください。

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