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公開日: 2021/11/24
更新日: 2025/11/17

ロジスティクスとは?物流との違いを図解でわかりやすく解説

カテゴリ:物流業務について

ロジスティクスとは?物流とSCMとの違い

近年、世界は デジタル化グローバリゼーション の大きな波に包まれています。
私たちの生活やビジネスは急速に変化しており、その中心で重要な役割を果たしているのが 「ロジスティクス」 です。

しかし、ロジスティクスとよく似た言葉である「物流」「サプライチェーンマネジメント(SCM)」 の違いを正しく理解できている人は多くありません。

本記事では、それぞれの意味や特徴をわかりやすく解説します。

ロジスティクスとは

ロジスティクスとは、単に商品を「適切な場所へ・適切な時期に」届けるという物流の基本機能にとどまらず、
企業全体を通じて、モノと情報の流れを最適化するための戦略的な仕組み を指します。

その対象は、原材料の調達から生産・販売、さらに使用後の回収やリサイクルに至るまで、一連の流れすべてを含みます。
これらを統合して効率化することで、最終的には 顧客満足度の向上 を実現するのがロジスティクスの大きな目的です。

近年では、経済活動の効率化に加え、環境保全・災害対策・資源の有効活用 など、社会的課題への対応にもロジスティクスは重要な役割を果たしています。
例えば、CO₂排出量削減に配慮した配送設計や、災害時の物資供給体制の確保などがその一例です。

このようにロジスティクスは、企業活動だけでなく私たちの暮らしにも密接に関わる基盤であり、効率的で持続可能なロジスティクスの実現は、企業競争力の強化より良い社会づくり の両方に欠かせない要素となっています。

ロジスティクスの語源

ロジスティクスは、もともと 軍事用語 として生まれました。
戦場では、前線で戦う兵士に対して、武器・弾薬・食料・衣類・医薬品など、生命線となる物資を後方から確実に届けることが求められました。

この補給活動が滞れば、戦闘力は大きく低下し、命に関わる事態となります。
そのため、物資の流れを計画し、安全かつ最適に届けるという行為は戦略上、極めて重要な任務とされていたのです。

現代のロジスティクスは戦場とは異なりますが、「必要な物を、必要な時に、必要な場所へ」という基本原則は変わっていません。
この思想が、今日の物流・供給・在庫管理の基礎となり、高い効率性や信頼性を支えています。

ロジスティクスの語源を理解することで、現代ビジネスにおけるその重要性をより深く把握することができます。

物流とは

物流の機能と領域

物流とは、英語で Physical Distribution と呼ばれ、物資を供給者から需要者へ届けるまでの一連の活動を指します。
一般的には、「輸送・保管・荷役・包装・流通加工、そしてそれらに関わる情報管理」 を総合的に行う機能として理解されています。

物流の領域は非常に広く、役割も多岐にわたります。代表的な領域は次の通りです。

  • 調達物流:仕入先 → 工場・生産拠点への移送
  • 生産物流:工場内での材料・部品・製品の移動
  • 販売物流:倉庫 → 販売店・卸先・EC拠点への配送
  • 回収物流(静脈物流):返品品・不良品・リサイクル品の回収
  • 消費者物流:ECなど最終消費者への直接配送

これらの物理的な作業に加えて、情報の管理 も物流の重要な役割です。
商品が「どこにあり」「どんな状態で」「いつ届くか」といった情報が正確に管理されることで、サプライチェーン全体の効率性と透明性が高まります。

近年はデジタル技術の進化により、位置情報のリアルタイム管理やデータ分析が可能になり、物流品質の向上に大きく寄与しています。

このように物流は、製品が生産される場所から必要とされる場所へ届くまでの極めて重要なプロセスであり、経済活動だけでなく私たちの生活の質にも直結する存在です。

ロジスティクスと物流の違い

ロジスティクスと物流の違い

物流は「活動」そのもの、ロジスティクスは「経営管理」と言えます。

つまり、物流は「運ぶ・保管する・仕分ける」といった具体的な実務の領域であり、
ロジスティクスはその物流を含むモノと情報の流れをどう設計し、どう管理するか を担う枠組みです。

ロジスティクスでは、次のような意思決定が行われます。

  • どのような方法で物流活動を行うか
  • いつ・どれだけの量を動かすか
  • コストをどう最適化するか
  • 顧客満足度をどう高めるか
  • 情報をどう管理・共有するか

このように、物流とロジスティクスは密接に結びつきながらも、役割と範囲は明確に異なる ことがわかります。

ロジスティクスとサプライチェーンマネジメント(SCM)の違い


ロジスティクスとサプライチェーンマネジメント(SCM)の違い

ロジスティクスに似た言葉として、サプライチェーンマネジメント(SCM) があります。
どちらも「モノや情報の流れ」を扱いますが、担当する 範囲役割 は大きく異なります。

ロジスティクスは主に、単一の企業内や企業同士の間での物資と情報の流れの管理 に焦点を当てます。
たとえば、調達・生産・保管・配送といったモノの流れを、どう効率的に動かすかを考える領域です。

一方、サプライチェーンマネジメント(SCM)は、より 広い視点 でサプライチェーン全体を見渡します。
原材料の調達から最終消費者への配送まで、すべてのプロセスをつなげて最適化しようとする考え方です。
その中には、もちろんロジスティクスも含まれます。

関係性を簡単にまとめると、ロジスティクスはサプライチェーンの一部分に特化し、商品やサービスが効率よく流通するための具体的な方法や手段 を提供する役割。
SCMは、そのサプライチェーン全体の戦略立案とマネジメント を担うイメージです。

つまり、ロジスティクスは「どのように(How)」モノと情報を動かすかに注目し、サプライチェーンマネジメントは「なぜその流れが必要なのか(Why)」「全体をどう最適化するのか(How to optimize)」に焦点を当てます。

SCMはロジスティクスを含む多くの要素を統合し、コスト削減・効率化・リードタイム短縮・顧客満足度の向上といった目標を、サプライチェーン全体として達成するための総合的なビジョン を提供する考え方です。

ロジスティクスの目的


ロジスティクスの目的

ロジスティクスの一番の目的は、「物流の効率化」です。

これまで多くの企業では、物流は「なくてはならないが、あまり重視されない活動」とみなされてきました。
単に商品を保管して、必要なときに届けるだけの機能だと誤解されていた面もあります。

実際には、ロジスティクスは企業が抱えるさまざまな課題に向き合い、顧客満足度を高めるための重要な手段として機能します。

近年の物流コストの上昇は、多くの企業にとって「今の物流のやり方を見直すべきだ」という強いきっかけになりました。
その結果、単なるコスト削減だけでなく、

  • 納期の短縮
  • 在庫の最適化
  • サプライチェーンの可視化・透明性向上

といった取り組みが進み、顧客サービスの質そのものを根本から高める動きにつながっています。

また、ロジスティクスは環境への配慮(エコ物流)においても大きな役割を果たします。
例えば、

  • ムダな輸送を減らすルート設計
  • 積載効率を高めてトラック台数を減らす
  • 梱包を見直して廃棄物を減らす

といった工夫により、ゴミの削減やエネルギーの有効活用に貢献できます。
これらは企業のCSR(社会的責任)としても高く評価されるポイントです。

このように、ロジスティクスの目的は、単に物流を効率化するだけではありません。

  • 企業の競争力を高めること
  • 顧客満足度を向上させること
  • 環境負荷を減らし、持続可能な社会に貢献すること

といった、より広い視点から組織全体の成長と発展を支える役割を持っています。

そのためには、現在の物流のやり方を定期的に見直し、新しい技術やアイデアを積極的に取り入れながら、自社に合った最適なロジスティクス戦略を続けて実行していくことが重要です。

ロジスティクスの経営効果

これまで物流がうまく機能していなかった企業でも、ロジスティクスの考え方を社内に取り入れることで利益向上につながる効果 を得ることができます。
主に次の4つが代表的な経営効果です。

在庫の適正化

在庫の適正化は、ロジスティクスがもたらす最も象徴的な効果です。
適切な在庫管理ができれば、必要な商品を「必要な量だけ」用意できるようになり、過剰在庫による資金の圧迫や、在庫不足による顧客満足度の低下を防ぐことができます。

在庫が適正になれば、市場の変化に柔軟に対応できるため、販売機会を逃しにくくなります。
結果として、在庫不足による機会損失の防止余剰在庫にかかる保管・処分コストの削減 に直結します。

さらに、需要がなくなった商品や季節外れの商品など、売れにくい「不良在庫」を減らすことにもつながります。
不良在庫は企業にとって大きな負担ですが、ロジスティクスに基づく在庫管理を徹底すれば、最小限に抑えることができ、資源の有効活用にも貢献します。

ムダな生産の回避

在庫が適正に管理されることで、市場の需要と供給のバランスを把握しやすくなり、生産計画の精度が向上します。
その結果、過剰生産(作りすぎ)を防ぐこと ができ、生産にかかる材料費・労働費・保管費などのムダを削減できます。

不必要な生産を行わないことは、経営面だけでなく、製造工程でのエネルギー消費やCO₂排出量の削減にもつながり、環境負荷を下げる効果もあります。
ロジスティクスは、環境と経営の両方を改善する価値の高い取り組みです。

物流コストの削減

ロジスティクスを導入することで、直接的に大きな改善が見込めるのが物流コストです。
過剰在庫やムダな生産を減らすことで、輸送・保管・荷役に関わるコストを抑えることができます。

また、

  • 輸送ルートの最適化
  • 積載効率の向上
  • 配送スケジュールの見直し
  • 適切な輸送手段の選定

などの取り組みにより、移動距離・時間・運賃を削減し、全体の物流効率を向上させることができます。

営業支援

営業支援

ロジスティクスは、営業活動の強化にも大きく貢献します。
在庫管理や出荷調整といった物流関連業務をロジスティクス部門が専門的に担当することで、営業部門は本来の業務である顧客との関係構築・提案・販売活動に集中できるようになります。

また、ロジスティクスが整備されている企業はサービスの品質も安定します。
納期の正確さや迅速な対応は、顧客満足度を高めるうえで重要な要素です。
これらは、効率的なロジスティクスシステムがあってこそ実現できます。

さらに、物流プロセスの透明化により、顧客への情報提供もスムーズになり、信頼関係の強化 につながります。

第4次技術革新「ロジスティクス4.0」とは

近年、ドイツで提唱された新しい物流の概念が「ロジスティクス4.0(Logistics 4.0)」 です。
これは、物流と情報技術(IT)を融合させ、従来の物流プロセスを根本から進化させる取り組みを意味します。

ロジスティクス4.0は、これまでの物流革新の流れを受け継ぎながら、次の“第4次”のステージとして位置づけられています。

第1次:トラック・鉄道による輸送の機械化

第2次:コンテナ輸送・フォークリフト導入による効率化

第3次:コンピュータを活用した物流管理システムの普及

そして現代の「ロジスティクス4.0」 は、最新技術を活用して物流全体をよりスマートに運営する取り組みです。
具体的には次の技術が活用されています。

  • IoT(モノのインターネット)
  • AI(人工知能)による予測・最適化
  • 物流ロボット・自動倉庫
  • 自動運転技術・ドローン配送

これらの技術により、物流プロセスのリアルタイム管理が可能になり、可視化・最適化が大きく進みます。
自動化によって、人手が必要だった作業も効率化され、人材不足の課題にも対応できる ようになります。

ロジスティクス4.0を導入することで、企業は需要予測の精度を高め、サプライチェーン全体を最適化できます。
また、顧客のニーズに素早く対応できる柔軟な物流体制が整い、顧客満足度の向上とコスト削減を同時に実現 することが可能になります。

この変革は、物流業界にとどまらず、製造業・小売業・サービス業など多くの業界に大きな影響を与えます。
企業がこれからも競争力を維持し、継続的に成長するためには、ロジスティクス4.0を理解し、積極的に取り入れることが不可欠になってきています。

まとめ

この記事では、ロジスティクス・物流・サプライチェーンマネジメント(SCM)の違いについて、役割と範囲を整理しながら解説しました。

ロジスティクスは単なる「運ぶ」「保管する」だけではなく、企業全体の流れを最適化し、効率化・コスト削減・顧客満足度向上を同時に実現するための重要な仕組みです。
物流、そしてSCMと組み合わせることで、企業の競争力を大きく高めることができます。

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