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公開日: 2021/06/28

リードタイムとは?短縮するメリットと方法を解説します

カテゴリ:物流業務について

皆様はリードタイムという言葉を聞いたことがありますか?リードタイムは製造業界や物流業界はもちろん、いろいろな業界でよく使われる言葉ですが市場の競争原理から近年、特にリードタイムの短縮が求められています。そのため、本日はリードタイムの意味をしっかりと理解するのはもちろん、メリットやリードタイム短縮方法について解説します。

リードタイムとは

4つのリードタイム
リードタイム(Lead Time)とは商品の発注から納品までに要する時間(期間)です。とはいえ業種によってその時間は異なります。製造業界であれば生産から完成までの時間をリードタイムとして認識することもあれば、物流業界では発送から納品までの時間を指す場合もあります。つまり、本質としては各工程の始まりから終わりまでの所要時間(期間)と理解すればよいでしょう。いずれにせよ発注側と受注側では多少認識もずれてくるため、柔軟な解釈が必要です。

製造業界のリードタイム

メーカーでは製品を開発する必要がありますが、コンセプトに基づいた企画を立案し、製品化させるまでの期間を開発リードタイムと呼びます。

次に製品を製造するにあたって原材料や部品を調達する必要がありますが、その時間を調達リードタイムと呼びます。調達部門に部品の選定まで委ねられている場合、発注部品の選定、数量の決定、調達先の選定、交渉の期間も調達リードタイムに含まれます。調達リードタイムは調達を自社で賄える場合はその準備期間を指しますが、外部から仕入れる場合は発注から納品までの期間を指します。このように立場が違うと範囲も変わってきます。調達が難航しリードタイムが長期化すると生産リードタイムはもちろん、全体のリードタイムに影響を及ぼしてしまいます。

最後に製造を始めてから既定の数に製造できるまでの時間を生産リードタイムと呼びます。ただし、製造業においては生産開始から顧客への納品までをリードタイムとする場合もありますので、ケースバイケースで理解しておく必要があります。

物流業界のリードタイム

物流業界でよく利用されている配送リードタイムは受注(発注)から納品までの時間です。しかしながら、物流倉庫や物流センターが出荷指示を受けてから商品をピッキングし、梱包して出荷(配送業者に引き渡し)するまでの時間を指す場合もあれば、工場や物流センターから出荷された商品が納品先に届くまでの時間を指す場合もあります。

リードタイムを短縮するメリットとリスク

リードタイムが注目されている理由は様々です。それぞれのメリットとリスクを考えてみましょう。

開発リードタイムの場合

例えば製造業の場合、開発リードタイムを短縮することで競合と比較していち早く市場に商品を投入することができますので、先行者利益を獲得しやすくなります。
しかし、リードタイムの短縮を求めるあまり、過度な人員を投入してしまうと結果的に開発コストとして跳ね返ってくる恐れがあるため、バランス感覚が必要です。

調達・生産リードタイムの場合

調達リードタイムを短縮することができればいろいろなメリットがあります。例えば、顧客の納期に対する要望がそれほど高くない場合は発注を受けてから材料や部品を調達しても十分納品に間に合いますので、在庫を抱えなくて済みます。これは生産リードタイムにも当てはまることで、リードタイムを短縮することができれば倉庫に在庫が滞留せずにすみますので、結果的にキャッシュフローが改善されます。
さらに突き詰めていけば受注生産での商品提供ができます。また、もし仮に顧客からクレームが入った場合においても迅速に対応することができるでしょう。
しかし、こちらもリスクが潜んでいます。リードタイムの短縮は重要なことですが、手抜き作業になったり、ミスが発生してしまえばたちまち顧客からの信頼を失ってしまいます。

配送リードタイムの場合

配送リードタイムの短縮は顧客の購買意思決定に影響を与えます。特に昨今EC市場が拡大している背景に配送リードタイムの短縮が貢献していると言えるでしょう。注文した翌日に商品が届くとなれば、これまでわざわざ交通費をかけて店頭まで足を運んでいた方も「ネットショップの方がお得かも」と思うのは当然です。もちろんBtoCを主としたEC以外のBtoB業界でも同じことです。早く届くことに越したことはありません。つまり配送リードタイムの短縮は企業にとって必須であり、これが実現できないとビジネスとしても大きく後退してしまうと言えます。
しかしながら、こちらも同じくリスクが存在します。物流センターの倉庫内作業はミスが発生しやすい傾向にあります。誤出荷をしてしまうと顧客からの信頼を失うのはもちろんのこと、テレコ出荷が発生した場合には個人情報の流出にも繋がります。
あと忘れてはいけないのが、社会的な影響も出ているということです。EC市場の拡大を背景とした宅配クライシス(運送会社での業務過多や労働者不足などの問題)が叫ばれたのも過度なサービスの提供が要因になっていた事実は否めません。市場への適用を優先しすぎると自社の労働環境が悪化する可能性もあるので経営管理としては注意が必要です。

リードタイムを短縮する方法

開発リードタイムの短縮で昨今注目されているのが材料や部品の共通化です。開発スピードが早まるのはもちろんのこと、作業効率の改善やコスト削減が期待できます。さらに在庫管理も容易になることでしょう。

調達リードタイムを短縮するのには仕入れ先であるサプライヤーとの関係性構築が重要です。また、需要予測ができれば予め必要な材料や部品を在庫として蓄えておくことができます。すぐに生産できる状態を維持することが調達部門の役目でもあります。

生産リードタイムの短縮を成功している企業の中には人員増加に踏み切っているところもありますが、近年人材不足が問題視されてから最新の機械やロボットの導入を積極的に行っている企業も増えています。また調達部門と同じく在庫を蓄えておくのも一つの手です。

配送リードタイムの短縮には物流センターの業務効率化が必要不可欠です。物流センターにおいては人材の増員や教育、マテハン機器の導入、WMS(倉庫管理システム)の導入、最新ロボットの導入等が選択肢として考えられます。また、東日本大震災発生後の日本ではリスク管理も重要になっている背景から物流センターを分散化する動きもあります。全国各地に倉庫を分散することで、倉庫から主要都市までのリードタイムが短縮され、コストダウンにもつながります。

在庫管理が重要になる理由

いずれにせよ肝になるのが在庫管理です。十分に在庫を抱えれば全体のリードタイムは短くなりますが、過剰在庫を抱えてしまう要因になります。反対に在庫が不足するとリードタイムが長くなり、ビジネスチャンスを逃す可能性もあります。そこで重要になるのが、各部門が密に連携するインバウンドSCM(サプライ・チェーン・マネージメント)という取り組みです。全体の製品需要計画を作成し、需要と供給を同期化することで、在庫リスクを最小に抑えながらリードタイムを短縮することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?製造業または小売業の場合、開発リードタイムや調達リードタイム、そして生産リードタイムを短縮することに専念すべきです。コア・コンピタンス(企業の中核となる能力)と呼ばれるように自社の経営資源を重要な部門に集中投下することが競合他社に打ち勝つための道筋と言えるでしょう。そのため、最近では自社の物流部門を3PLと呼ばれる外部の物流業者に委託する事例が増えています。3PL業者であれば長年培った経験とノウハウをもとに効率化された物流オペレーションを提供してくれます。

トミーズコーポレーションは大阪に複数倉庫を保有する3PL会社です。BtoB・BtoC問わずお客様の荷物をお預かりし、指定の納品先に出荷いたします。お気軽にお問合せくださいませ。

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