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TOPスタッフブログ物流業務について物流とは?今更聞けない常識をわかりやすく丁寧に解説します

公開日: 2021/04/15
更新日: 2024/11/15

物流とは?今更聞けない常識をわかりやすく丁寧に解説します

カテゴリ:物流業務について

物流とは

近年何かと話題に上がる物流ですが、そもそも物流って何?と疑問を抱かれている方も多いのではないでしょうか。ビジネスの要となる物流について正しく理解することで、ビジネス戦略の立案や効率的な経営に役立てることができます。物流は単に商品を運ぶだけでなく、コスト削減や顧客満足度の向上にも大きく貢献します。そのため、本日は分かりやすく丁寧に物流について解説していきたいと思います。

物流とは何だろう?

まず始めに物流という言葉を聞いて何をイメージしますか?商品などの「モノ」を運ぶことを一般的に輸送と呼びますが、この輸送機能を物流と認識されている方も少なくはありません。しかし、輸送はあくまでも物流の機能の一つで、物流は経済活動の中で企業が生産したり販売したりする際の「モノの流れ」全域を指します。つまり、物流は単に商品を運ぶだけではなく、生産から消費者の手に渡るまでの全過程における物品の流れと管理を総合的に指す言葉です。このように、物流はビジネスのあらゆる場面で重要な役割を果たしており、効率的な物流システムの構築は企業の競争力を高める上で欠かせない要素となっています。

物流という言葉の由来

現代でこそ物流という言葉が一般的に普及していますが、この言葉が使われ始めたのは実は60年も前のこと、時は1950年代までさかのぼります。1950年代と言えば日本は高度経済成長が始まった年代です。当時、世界最大の経済大国であるアメリカの流通を視察した人たちが、アメリカで使用されているPhycical Distribution(フィジカルディストリビューション)という言葉を日本に持ち帰りました。その際に、Phycical Distributionは物的流通という日本語に訳されました。その後、この物的流通が普及するにつれ、段々と言葉が短くなり、やがては物流という言葉に省略されたのです。このようにして、物流という言葉は日本で広く使われるようになり、現在では国内外問わずビジネスの基本用語として定着しています。

物流と商流の違い

先ほど物流が物的流通から生まれた言葉ということを説明しましたが、物流と関係性が近い言葉に商流(商的流通)があります。英語ではCommercial distributionと訳されます。物流は流通全域の物的な側面を捉えた言葉でしたが、商流は商業的な側面を捉えた言葉です。一般的に商流はその際に発生する所有権・金銭・情報の移動を指します。言葉としての意味は違いますが、物流と商流は密接な関係にあります。物流が商品の物理的な移動を管理するのに対し、商流は取引の流れや情報のやり取りを管理します。ビジネスの世界では、これら二つの流れを効率的に管理することが、企業の競争力を高める鍵となります。

ロジスティクスとの違い

最近ではロジスティクスという言葉も広く認識されるようになりました。とはいえまだまだ物流とロジスティクスが同じ意味と解釈されてしまっているのも事実で、実はまるで違います。物流は商品の物理的な移動に焦点を当てた概念であるのに対し、ロジスティクスはより広範な概念であり、物流を含む供給チェーン全体の管理を指します。これには在庫管理、需要予測、サプライチェーンの最適化などが含まれます。詳しくは「【最新版】ロジスティクスとは?物流との違いを図解でわかりやすく解説」でも紹介しておりますので、チェックしてみてください。

対象領域によって変化する物流

物流の機能と領域
物流はその対象領域によって異なる特性を持ち、特定の呼び方で区別されます。例えば、製造メーカーにおける物流を考えてみましょう。製品を製造するには多くの部品が必要です。これらの部品を事前に組立工場に集めて蓄えるプロセスを調達物流と呼びます。次に、製品が工場内で組み立てられる過程で、部品や半製品が移動し管理されることを生産物流と呼びます。そして、完成した製品を消費者に販売するために販売店などに移動させるプロセスが販売物流です。さらに、不良品や廃棄物、リサイクル物質の回収を行う回収物流(静脈物流)や、宅配便や引越輸送など一般消費者を対象とした消費者物流も重要な役割を果たしています。これらの物流プロセスは、製品が生産されてから消費者の手に渡るまでの流れをスムーズにするために不可欠です。

6つの物流の機能と管理

さて、冒頭で輸送は物流機能の一つと説明しましたが、物流には他にもいろいろな機能があり、輸送・保管・荷役・包装・流通加工・情報といった6つの機能が存在します。

輸送

輸送とは、「モノ」を物理的に移動させることであり、企業が商品を顧客に届けるために不可欠なプロセスです。輸送する手段は多岐にわたり、トラックや鉄道、船舶、航空機などが一般的です。これらの中から、運ばれる「モノ」の特性や目的地、コスト効率などを考慮して、最も適した輸送手段を選択することが重要です。例えば、緊急性が高く軽量の商品は航空輸送が適しており、大量かつ重量がある商品の場合は鉄道や船舶が適しています。このように、輸送のプロセスは単に商品を移動させるだけでなく、いかに効率的かつ経済的に顧客に届けるかが求められるため、戦略的な計画が不可欠です。

保管

物流は「モノ」の流れの中で非常に重要な機能の一つに保管がありますが、これは常に「モノ」が流れているわけではなく、ある時点で一時的に停止し保持される必要がある状態を指します。例えば、メーカーでは製品を製造する前に必要な部品を予め集めておく必要があります。また、ネット通販の場合、顧客からの注文に迅速に応じるためには、一定量の商品を倉庫に在庫として保有しておくことが不可欠です。このように、製品や原材料、部品などの「モノ」を一定期間保管することで、需要に応じて素早く対応できるようにします。主には倉庫や物流センターでの保管が行われ、ここでは最適な環境下での保管が求められます。適切な温湿度管理やセキュリティ、整理整頓が保管の効率と安全性を高め、全体の物流コスト削減にも繋がります。

荷役

一般的にあまり聞きなれない用語である荷役(にやく)は、トラックや鉄道、船舶や飛行機等の輸送手段に貨物を積み込んだり、下ろしたりするプロセスを指します。このプロセスは貨物輸送において避けて通れない重要な機能の一つであり、輸送の効率と安全性を直接左右します。荷役の作業には物理的な労力だけでなく、特定の技術と注意が必要であり、そのためには一定のコストが発生します。しかし、コストと労力を削減するために、近年ではパレットやコンテナを使った標準化された方法が広く採用されています。これらのツールを利用することで、荷役の時間短縮と労働強度の軽減が可能となり、全体の物流効率を向上させることができます。

包装

「モノ」をその本来の姿のまま輸送するためには、包装が非常に重要です。荷役の過程で製品が落下する可能性がある場合、適切な包装がなければその衝撃で製品が損傷してしまう恐れがあります。これは物流の本来の目的である安全かつ効率的な商品の輸送を損ねることになります。一般的に製品は段ボールで包装されて輸送されることが多いですが、繰り返し使用が可能で耐久性に優れたプラスチック製の通い箱も広く利用されています。これらの容器は製品を保護するだけでなく、積み重ねが可能であるため、輸送中のスペース効率を高めるというメリットも提供します。

さらに、環境への影響を考慮し、持続可能な物流ソリューションの一環として、リサイクル可能な材料や生分解性の包装材の使用が推進されています。これにより、使用後の廃棄物を減らすことができ、地球資源の保護にも寄与します。また、エコフレンドリーな包装材料の開発により、企業は環境保護に対する責任を果たすと同時に、消費者からの信頼を得ることが可能になります。例えば、再生紙や植物ベースのプラスチックなどの新しい材料が導入され、従来の包装方法を刷新しています。これらの取り組みは、サステナビリティを重視する現代の消費者ニーズに応えることができるため、今後もさらに重要性を増すでしょう。

流通加工

流通加工は、製品が流通している段階で行われる追加の加工プロセスを指します。物流センターでは日々、さまざまな流通加工が行われており、これにより製品は市場での即時販売に適した状態に仕上げられます。アパレル業界では、製品に値札を付けたり、ブランドのラベルを貼ったり、商品をプレスしてハンガーにかける作業が一般的です。これにより、商品が店舗に到着するやいなや、すぐに販売フロアへ並べられるようになります。食品業界では、特に生鮮食品の解体や小分けパック詰めが行われ、消費者が使いやすい形で提供されます。また、季節のイベントや特定の機会に合わせた贈答品の詰め合わせなど、消費者のニーズに応じたカスタマイズが流通加工によって可能となっています。これらのプロセスは、製品の市場価値を高めると同時に、消費者の利便性を大きく向上させています。

情報

物流業界における「情報」の重要性は年々増しています。現代の物流システムでは、製品、原材料、部品など「モノ」の動きをデータベースで詳細に管理することが不可欠です。このデータ管理にはEDIシステム(電子データ交換システム)が広く利用されており、注文から配送までの各プロセスがデジタル化されています。従来の発注作業が電話やファックスによって行われていた時代と比べ、現在ではこれらのプロセスの自動化により、手間と時間を大幅に削減し、ミスの発生も極めて少なくなっています。さらに、物流倉庫ではWMS(倉庫管理システム)が導入され、商品の入出庫をバーコードスキャンによって管理することで、効率の向上とエラーの低減が図られています。これらの技術の進化は、物流の効率性を飛躍的に高め、最終的には消費者の満足度向上に寄与しています。

今後求められる物流品質

さて、ここまで物流について詳しく解説しましたが、ご理解いただけましたでしょうか。しかし、物流は時代とともに目まぐるしく変化しているため、現代の物流もしっかりと理解する必要があります。近年ではEC市場が拡大しており、インターネット通販に関わる物流が活性化しています。その反面、新しい課題が生まれているのも事実で、その課題を解決しない限りはビジネスの成功は成し遂げられません。

具体的な事例を挙げると、Amazonや各種ECモールなどでは、送料無料が当たり前の時代となっています。消費者はわずか1点の商品でも購入可能で、これは小さな注文であっても、倉庫から消費者に直接商品を届ける物流が必要とされることを意味しています。従来の大量在庫管理の方法とは異なり、物流倉庫では個々の商品をバラで保管し、1点単位で速やかにピッキングが行えるようなシステムが求められるようになりました。これは在庫管理の柔軟性を高めると同時に、物流コストの増加につながる重要な要因となっています。

さらに、輸送の効率化が求められる中で、小規模ながら頻繁な配送が慢性化しています。このため、運送ドライバーやトラックの運用も最適化が必要とされ、輸送部分のコストを抑えるための新たな戦略が求められています。たとえば、地域ごとの集約配送システムの導入や、最適なルート計画による燃料コストの削減などが考慮されています。これらの取り組みは、個別配送の増加による物流コスト上昇を抑制し、全体の物流効率を向上させるために不可欠です。

その他にも商品を消費者に届けるためのリードタイムが従来と比べて極端に短くなりました。最短当日出荷、翌日お届けといったサービスが当たり前になり、スピードも求められるようになりました。これもまた、結果的には物流コスト上昇の原因になります。土日祝含めた365日対応や24時間対応は人件費アップや光熱費アップの原因になります。

これらを背景とし、物流のコスト削減及び物流品質の向上は企業にとって最重要課題になりました。しかしながら、製造会社や販売会社ではそれらを解決するための物流周りの専門知識が不十分な場合もあり、物流コンサルティング会社や物流アウトソーシング会社に自社の物流部門を再構築してもらう方向へと動き出しています。

グローバルな視点から見た物流

物流は地球規模で考えるとさらに複雑さが増します。国を越えると、ただ商品を届けるだけでなく、多様な法律や文化、経済状況に適応する必要があります。例えば、一つの商品がアジアからヨーロッパへと移動する際には、さまざまな国の税関を通過しなければならないため、そのプロセスは、詳細な計画としっかりとした調整を要求されます。

国際貿易の影響

世界中の国々はそれぞれに異なる輸入規制や税制を持っています。これらを理解し、適切に対応することは、国際的な物流を管理する上で不可欠です。例えば、ある国では特定の材料に高い関税がかかる場合があり、それが全体のコストに大きく影響することもあります。このように、グローバルな物流は、単に物を運ぶだけではなく、国際的な法規を理解し、それに準拠する知識が求められます。

異文化間の調整

異なる国々とのビジネスでは、文化的な違いも大きな影響を及ぼします。たとえば、配送スケジュールを決める際に、特定の国の祝日や習慣を考慮する必要があります。また、パッケージングデザインにおいても、文化に敏感な要素を取り入れることが重要です。これにより、商品が異国の市場で受け入れられやすくなります。

テクノロジーの活用

グローバルな物流を効率的に管理するためには、新しい技術の活用が鍵となります。リアルタイムでの追跡システムや自動化された倉庫管理システムなど、テクノロジーを駆使して国際間の物流の効率を高めることが可能です。これにより、時間とコストを削減し、より競争力のあるサービスを提供することができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?物流の基本を理解することは、ビジネスの根底を理解することに直結します。特に現代の競争が激しいビジネス環境において、効率的かつ効果的な物流システムの重要性はますます高まっています。自社が抱えている物流の課題を見つめ直し、これを解決することなくして、ビジネスの持続可能性は確保できないでしょう。

より効率的な物流を実現するためには、専門知識を持つ物流会社とのパートナーシップが欠かせません。これにより、物流のコストを最適化し、サービス品質を向上させることが可能です。また、物流を戦略的に捉え、統合的に管理することで、市場の変動に迅速に対応する柔軟性を備えることができます。そうすることで、新しい市場への進出や新しいビジネスモデルへの挑戦が現実のものとなります。

このように、物流は単なる背景業務ではなく、企業戦略の中核をなす要素です。適切な物流戦略を立て、実行することが今後のビジネス成功の鍵を握っています。

 

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