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公開日: 2022/05/06

RFIDとは?基礎知識やメリット、活用事例などを図解で解説

カテゴリ:物流業務について

「RFIDの導入方法が分からない」とお悩みではありませんか?

近年、ユニクロやGUがRFIDを導入し、アパレル業界では話題になりました。「セルフレジ(無人レジ)」により、混雑が解消できたり、省人化できたりするため、RFIDの導入にはメリットがあります。

しかし、「RFIDは導入費用がかかるから自社には無理……」と諦めている経営者の方は少なくありません。

そこで今回は、基礎知識はもちろん、最新のRFID事情を解説します。

RFIDとは

RFIDとは「Radio Frequency Identification」の略称。
RFIDは「RFタグ」「RFIDリーダ/ライタ」「RFIDプリンタ」「上位システム」などから構成される「自動認識技術」の総称です。

それぞれ詳しく解説します。

RFタグ


RFタグには、情報を記録する「ICチップ」電波を受信・送信する「アンテナ」が入っています。
※RFタグは「ICチップ」「電子タグ」「無線タグ」と呼ばれることもあります。

RFIDリーダ/ライタ

RFIDリーダ/ライタは、RFタグを読み込んだり、書き込んだりするのに使用します。「据え置き型(固定式)」「ハンディ型」があります。

据え置き型(固定式)

「据え置き型(固定式)」は固定して使用するRFIDリーダ/ライタ。レジ、ゲート、トンネルなど、さまざまなタイプがあります。

レジタイプは、商品を買い物カゴに入れたままRFタグを読み取れます。主には販売現場で活用されます。

ゲートタイプやトンネルタイプは、対象物が出入口や導線などの読み取りゾーンを通過したとき、自動的にRFタグを読み取れます。主には製造現場や物流現場で活用されます。

ハンディ型

「ハンディ型」は対象物に電波や電磁波を照射してデータを読み書きするRFIDリーダ/ライタ。持ち運びできるため、棚卸などに活用されます。

RFIDプリンタ

RFIDリーダ/ライタでも情報の書き込みはできますが、RFIDプリンタのほうが効率的です。
RFIDプリンタなら、ラベルの印字と同時にICチップへ情報を書き込めます。

専用のソフトウェアを使えば、印字レイアウトも調整できます。

上位システム

上位システムは「パソコン(ソフトウェア)」「サーバー」を指します。

わかりやすくいうと、「パソコン(ソフトウェア)」はRFIDのデータ(情報)をコントロール(制御)するのに使用します。
「サーバー」はデータの保管庫です。

RFID認証の仕組み

1.RFIDリーダ/ライタでRFタグに電波を照射
2.電波を受けたRFタグはICチップの情報をRFIDリーダ/ライタのアンテナに送信
3.RFIDリーダ/ライタがICチップの情報を受信(認識)
4.ICチップの情報は上位システムに反映される

RFIDの周波数帯

RFIDでは、主に「UHF帯(920MHz)」「HF帯(13.56MHz)」の二つの周波数帯が利用されています。

UHF帯

UHF(Ultra High Frequency)帯は離れた距離から一括でRFタグを読み取れます。アパレルでよく利用され、商品にRFタグを貼付して運用します。

HF帯

HF(High Frequency)帯はかざして読み取るのに向いています。交通ICカードやクレジットカードに利用されています。

RFIDが求められる背景

RFIDは、ただ便利だからといった理由だけで導入されているわけではありません。RFIDが求められる背景は以下のとおりです。

人手不足

現代の日本では少子高齢化を主な原因として、人手不足や労働力不足が社会問題に発展。人手不足が原因で経営が難しくなる企業も珍しくありません。

人件費の高騰

人手不足は結果的に人件費の高騰も招きます。年々、最低賃金が上昇しているのも人件費高騰の原因の一つです。

サプライチェーンの最適化が難しい

消費財のサプライチェーンには多くの事業者が存在しており、最適化が難しいです。人手不足はもちろん、一部の業界では食品ロスや返品などの課題もあります。

そこで経済産業省は近年、以下の施策を発表しました。気になる方はチェックしてみてください。

コンビニ電子タグ1000億枚宣言(経済産業省)
ドラッグストアスマート化宣言(経済産業省)

RFIDのメリット

それではRFIDのメリットを詳しくみていきましょう。ここではすでに導入されていることが多い「バーコード管理(JAN)」と比較しながら解説します。

離れていても読み取りできる

バーコード管理は、バーコードを探して近づいてスキャンしなければいけません。

RFIDならRFタグを探す必要はありません。離れていても読み取りできます。

複数同時に読み取りできる

バーコード管理は商品についたバーコードを一つずつスキャンしなければいけません。

RFIDなら複数の商品(RFタグ)を同時に読み取りできます。

ユニークコードで個別管理できる

バーコード管理は同一のSKUであれば、同じバーコード(JANコード)になります。同じ商品のバーコードを重複して読み取ってしまう可能性があります。

RFIDなら同一のSKUでも、商品ごとに個別のコード(EPC)が発行されます。同じ商品のRFタグを重複して読み取る可能性がなくなります。

データを書き換えられる

バーコード管理は情報を書き換えるとき、新しいバーコードを発行して商品に貼り付けしなければなりません。

RFIDなら同じRFタグのまま、情報を追加したり書き換えたりできます。

小型で耐久性に優れている

バーコードはサイズの規定があり、汚れるとスキャンできないといったデメリットがあります。

RFIDならサイズバリエーションが豊富。経年変化に強いため、長期に使用できます。

RFIDの活用例

RFIDのメリットが分かったところで、活用例を見ていきましょう。

製造現場

製造現場では、「物品管理」や「工程管理」などにRFIDが利用されます。

物品管理

部品や工具のような備品の持出・返却管理にRFIDは最適です。出入り口にゲート式のRFIDリーダを設置すれば、自動で持出・返却管理ができるため、申請手続きなどが不要になります。会社の大切な資産を守ることにもなります。

工程管理

仕掛品にRFタグを取り付け、工程ごとにRFIDリーダを設置すれば、仕掛品ごとの工程情報(進捗情報)を自動的に取得できます。RFIDなら自動で読み取りができるため、作業者は作業に集中できます。

物流現場

物流現場では「入荷」から「出荷」までの一連の作業でRFIDが活躍します。また、棚卸にもRFIDは効果的です。

入荷


梱包された状態のまま検品できるため、作業時間の大幅な短縮化が図れます。ゲート式のRFIDリーダであれば、通るだけで入荷検品が完了します。

在庫管理

スマートシェルフ(RFIDリーダが取り付けられた棚)を利用すれば、リアルタイムで在庫数を確認できます。

ピッキング

RFIDリーダを取り付けたカートに商品を投入するだけで、ピッキングした商品に間違いがないか確認できます。ピッキングミスを容易に防げます。

出荷

ゲート型のRFIDリーダを利用すれば、梱包した商品をコンベアに流すだけで出荷検品できます。RFIDは配送先の仕分けなどにも活用できます。

棚卸

スマートシェルフを利用すれば、いつでもRFタグを読み取れるため、任意のタイミングで棚卸できます。
スマートシェルフを利用しなくても、商品にRFタグさえ付いていれば、ハンディ型のRFIDリーダで簡単に棚卸できます。商品を棚から下す必要はありません。

販売現場

販売現場でもRFIDはさまざまなシーンで活躍します。

入荷

多くの販売現場はスペースの観点から、ゲート式ではなく、ハンディ型のRFIDリーダで入荷検品します。在庫を取り出して一点ずつスキャンしなくて済むため、限られたスペースでも迅速に入荷検品ができます。

会計


RFID対応のセルフレジ(無人レジ)であれば、省人化できます。また、店舗の入り口にゲート型のRFIDリーダを設置すれば、セキュリティ対策にもなります。

店舗間移動(出荷)

RFIDなら入荷検品同様、店舗間移動による出荷でも、業務の効率化や精度の向上が期待できます。

棚卸

ハンディ型のRFIDリーダがあれば、一人でも1時間で数千点の商品を棚卸できます。

RFIDの課題

RFIDはメリットが多いですが、課題があるのも事実。
いくつかある課題をみていきましょう。

RFタグの単価が高い

バーコード管理であれば、商品やタグ、シール紙にバーコードを印刷すれば済みます。そのため、比較的低コストで運用できます。

しかし、RFIDはRFタグ自体が高価です。ICチップやアンテナを必要とするため、どうしてもコストがかかります。

ハード&ソフトが高い

バーコードに比べて、RFIDはまだまだ導入されるケースが少ないです。そのため、ハード、ソフトともに比較的高価なものが多いです。

非対象物まで読み取る可能性がある

RFIDは商品タグごとに個別IDが付与されるため、同じ商品の「重複読み取り」こそ発生しませんが、狙った商品以外も読み取ってしまう可能性があります。

回避するためには、照射電波をコントロールしたり、電波を遮るシールドを使用したりします。

免許申請が必要

送信出力が「250mW以下」のRFIDリーダなら特別な手続きは不要で使用できます。
しかし、送信出力が「1W以下」のRFIDリーダを使用するためには、「無線局の免許」が必要です。

無線局の種類には以下の二つあります。

構内無線局・・・一つの構内において無線通信業務を行う無線局
陸上移動局・・・公道を含む国内全ての陸上で無線通信業務を行う事ができる無線局

利用するRFIDすべてに申請(登録)が必要。申請すると15日以内に「無線局登録状」が届きます。

その後、「開設届」を提出し、所定額の「電波利用料」を支払えば使用可能となります。

上記一連の手続きはもちろん、社内の稟議承認期間を考慮すると、RFIDを利用するまでにはそれなりに時間がかかります。

まとめ

この記事ではRFIDの基礎知識、メリット、活用事例などを解説しました。

RFIDの導入を検討されている方は、弊社トミーズコーポレーションまでお問い合わせください。
25年を超える物流実績を基に、お客様それぞれに合ったRFID運用を提案いたします。

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