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TOPスタッフブログ物流業務について【物流のプロが解説】梱包とは?包装との違いや資材の種類など

公開日: 2022/10/03
更新日: 2025/11/18

【物流のプロが解説】梱包とは?包装との違いや資材の種類など

カテゴリ:物流業務について

「梱包」という言葉を聞いたときに、「具体的に何をする作業なのか?」
「包装とはどう違うのか?」
と疑問に感じたことはありませんか。

梱包と包装はよく似ているようで、実は目的と役割がまったく異なる作業です。
特にメーカーやネット通販(EC)に携わる方は、物流の基本として理解しておくべき重要なポイントでもあります。

梱包とは、商品を安全に届けるために行う「保護」が目的の工程です。
輸送中の衝撃・圧力・水濡れなどから商品を守る役割を持ち、物流に欠かせないステップです。
適切に梱包されていない商品は、破損や発送トラブルにつながり、企業の損失リスクも高まります。

一方で包装は、見た目の美しさやブランド価値を高めることが目的の工程です。
ギフト包装や高級品の化粧箱などがその例で、商品価値を引き上げたり、特別な体験を演出するために行われます。

この記事では、
・梱包の基本的な意味
・梱包に使われる資材の種類
・代表的な梱包手順
・梱包が重要視される理由
などについて、誰にでもわかるように解説していきます。

梱包の基本を理解することで、配送トラブルを防ぎ、より安全で品質の高い物流を実現することができます。

梱包とは

梱包とは、輸送や保管の途中で商品が壊れないように守る作業のことを指します。
商品を安全な状態で届けるために欠かせない工程であり、物流や販売業務において非常に重要です。

梱包が不十分な場合、輸送中の衝撃や圧力で商品が破損し、クレームや返品につながる可能性があります。
そのため、適切な梱包は企業の信頼性や顧客満足度を左右する重要なポイントです。

梱包は「荷造り」と呼ばれることもあり、小規模な出荷や個別商品の取り扱いでよく使われます。
日常でも、引っ越しの荷物づくりやプレゼントのラッピングなど、さまざまな場面で梱包が行われています。

梱包作業にはいくつかの基本ステップがあります。これらを正しく行うことで、商品を安全かつ効率的に発送できます。
以下では、梱包の基本手順を紹介します。

梱包材を選ぶ

梱包材は商品に合わせて適切な種類を選ぶことが重要です。
壊れやすい商品や重い荷物には丈夫なダンボールが適しています。
水濡れを避けたい商品にはビニール袋、軽量商品の場合は紙袋を使用することでコストを抑えられます。

緩衝材を用意する

商品を衝撃から守るためには、緩衝材が欠かせません。
エアキャップ(プチプチ)、バラクッション、発泡スチロールなどを商品サイズや形状に合わせて選び、輸送時の振動や衝撃を吸収させます。

隙間を空けずに詰める

ダンボールや袋の中に隙間があると、輸送中に商品が動き、破損の原因になります。
適切な量の緩衝材を使ってしっかり固定し、できるだけ隙間を作らないようにすることが大切です。

テープで止める

梱包の最後は、テープでしっかり封をします。
強度の高いテープを使用することで、輸送中に梱包が開くリスクを防げます。
テープはしっかり密着させ、隙間なく貼ることが重要です。

上記の手順を丁寧に行うことで、梱包の品質が向上し、商品の安全性が確保できます。
正しい梱包は顧客満足度を高め、リピート購入にもつながる大切な要素です。

梱包と包装の違い

梱包は、包装の一種ですが、目的や役割が大きく異なります。
混同しやすい言葉ですが、正しく理解することで適切な物流運用や商品管理ができるようになります。

包装は大きく以下の2つに分けられます。

  • 工業包装
  • 商業包装(消費者包装)

工業包装(梱包)

梱包はこの工業包装に分類されます。
目的は、輸送や保管中に商品を保護することです。

物流の現場では、商品が破損しないように強度の高い段ボール緩衝材を使い、安全性を確保します。
特に大型製品や壊れやすい商品では、梱包の良し悪しが輸送品質を左右します。

商業包装(消費者包装)

商業包装は、商品の見た目や価値を高めるための「魅せる包装」です。
消費者の目に触れる部分を装飾し、ブランドイメージを高める目的で行われます。

例えば、お中元・お歳暮のギフト包装は、きれいな包装紙やリボンで仕上げることで、受取った方に特別な印象を与えます。
商業包装は商品の魅力を引き出し、販売促進に役立つ重要な要素です。

日常的に「包装」という場合、多くは商業包装を指します。
一方、梱包は「保護」を目的とした工業包装であり、役割が明確に異なります。

梱包と包装の違いを理解する重要性

両者は目的が異なるため、正しく使い分けることが大切です。

  • 梱包:商品を守る(安全性・保護)
  • 包装:商品の魅力を伝える(デザイン・ブランド性)

梱包が不適切だと輸送中に破損し、顧客満足度が低下します。
逆に商業包装が過度になると、資材の使いすぎで環境負荷が高まる場合もあります。
最近では、過剰包装を避けたサステナブルな包装も注目されています。

このように、梱包と包装は役割が異なりながらも、商品価値を最大化するうえでどちらも欠かせない存在です。
商品特性や目的に応じて、最適な梱包・包装を選ぶことが、品質向上とコスト最適化の鍵となります。

梱包の重要性

梱包は、物販事業者にとって極めて重要な工程です。
ただ商品を包むだけではなく、商品を安全・確実に顧客へ届けるための「品質保証の仕組み」として機能します。

現代の物流では商品が多様化し、配送スピードも求められるため、梱包の役割は年々重要性を増しています。
商品を“正しい状態”で、“定められた期日まで”に届けることが事業者の責務です。

もし梱包が不十分で、商品が破損してしまった場合、以下のような大きな問題が発生します。

商品が期日までに届かない

配送遅延は顧客の期待を裏切り、クレームや返品につながります。
特にプレゼント用途やイベント前の商品は、予定日に届かないこと自体が「サービスの失敗」になります。

商品が破損した状態で届く

破損品が届いた場合、顧客は強い不満を抱き、ブランドへの信頼を失います。
口コミやレビューに悪影響が出ることで、新規顧客の獲得にもマイナスをもたらします。

商品廃棄による損失が出る

破損した商品は販売できず、企業にとって直接的な損失になります。
商品を無駄にしないことは、コスト面でも環境面でも非常に重要です。

再送による手間とコスト負担が発生する

破損品の再送には追加の送料・梱包・作業コストが発生します。
再送が遅れれば顧客の不満も増し、将来的なリピート購入の喪失にもつながります。

このようなリスクを避けるためにも、梱包の重要性を正しく認識し、商品ごとに適切な梱包材を選び、丁寧な梱包を行う必要があります。
正しい梱包は、顧客満足度を高め、ブランドの信頼を守るための重要な施策です。

適切な梱包は、実は企業のコスト削減にも貢献します。
返品・再送の減少によって物流コストが削減され、利益率の向上につながります。
また、過剰な資材の使用を避ければ、環境負荷の低減にも寄与し、サステナブルな物流の実現にも役立ちます。

このように、梱包は単なる作業工程ではなく、
事業の成功を左右する重要な業務プロセスです。
顧客満足・ブランド価値・コスト削減のすべてに直結するため、企業は梱包への意識を高く持つことが求められます。

梱包のメリット

梱包には、輸送や保管中の商品を守る役割だけでなく、企業にとって多くのメリットがあります。
適切な梱包は、物流効率の向上・コスト削減・顧客満足度の向上に大きく貢献します。

輸送効率が上がる

梱包は、商品の輸送効率を大幅に向上させます。
形が不規則な商品や壊れやすい商品でも、適切に梱包することで破損リスクを下げ、より多くの商品を効率的に運ぶことが可能になります。

例えば、壊れやすい花瓶を考えてみましょう。
そのままでは破損する可能性が高く、他の商品との積み合わせも難しくなります。
しかし、緩衝材などを用いてしっかり梱包すれば、輸送中の衝撃を吸収し、安全に運べるだけでなく、積載効率も上がります

梱包が不十分だと、商品が安定せず積み込む数が減ってしまうため、結果として一つあたりの物流コストが増加します。
逆に、適切な梱包を行うことで積載効率が向上し、輸送コストを抑えることができます。

トラックやコンテナにより多くの商品を積み込むためには、梱包は欠かせない重要な要素です。

顧客からの信頼度が上がる

梱包が丁寧であるほど、顧客からの信頼度は高くなります。
商品が届いた瞬間、購入者が最初に目にするのは「梱包状態」です。
ここで良い印象を与えられるかどうかが、その後の評価に大きく影響します。

しっかり梱包された商品は破損リスクが低く、安心して利用できると感じるため、リピート購入にもつながります。
多少価格が高くても、確実に安全に届けてくれる企業を選ぶ消費者は多いものです。

丁寧な梱包はブランドイメージの向上にもつながります。
細部まで気を配る企業は信頼されやすく、口コミやレビューでも高く評価されやすくなります。
実際、梱包の良し悪しはレビューで頻繁に言及される重要ポイントです。

このように、梱包は商品保護だけでなく、企業の信頼構築や顧客満足度向上にも大きく関わる重要な要素です。
丁寧な梱包はビジネス成長に直結する資産と言えます。

梱包資材の種類

商品を安全に届けるためには、適切な梱包資材を選ぶことが欠かせません。
梱包資材の選定は、商品の保護だけでなく、物流コストの最適化や作業効率の向上にもつながります。

ダンボール


ダンボールのイメージ

ダンボールは最も一般的な梱包資材で、優れた強度とコストパフォーマンスを兼ね備えています。
宅配便では三辺合計60~200サイズのダンボールがよく使用されます。

ダンボールは厚みによって保護性能が異なり、厚いほど衝撃に強くなります。
壊れやすい商品や高額商品の場合は厚めのダンボールが適していますが、その分コストも上がるため、商品価値やリスクに合わせて選ぶことが重要です。

ダンボールにはさまざまな種類があり、用途に合わせて選ぶことで梱包品質を高められます。以下は代表的な種類です。

ジッパー付きダンボール

カッターを使わずに開封できるジッパー構造が特徴です。
開封が簡単なため顧客体験が向上し、返品の多い業界でもよく活用されています。
ただし、一度開封すると再封ができないため、使い捨て用途向きの資材です。

メール便対応ダンボール

書籍や小型商品に最適なサイズで作られたダンボールです。
メール便利用により配送コストを下げたい場合に有効です。

テープ不要の組み立て式ダンボール

テープなしで封ができる構造を持ち、作業効率が大きく向上します。
大量梱包を行う倉庫やEC事業者に人気の資材です。

長尺物(ゴルフクラブ等)専用ダンボール

長さのある商品や特殊形状の商品に合わせて設計されたダンボールです。
適切なサイズを使うことで破損リスクを大幅に減らせます。

紙袋

紙袋はダンボールほどの強度はありませんが、低コストで環境負荷も低い資材です。
破損リスクの低い商品の発送に適しています。

紙袋には60~120サイズが一般的で、特に角2封筒(60サイズ)はメール便対応のため、書類や小型商品の発送によく使われます。

テープ付きの紙袋を使用すれば梱包作業の時間を短縮できます。
「マチ」の有無も選択できるため、商品の厚みや形状に合わせた選定が可能です。

再生紙などを使用したエコ仕様の紙袋も多く、環境配慮にも優れています。

宅配ビニール袋

宅配ビニール袋は主にB5~A4サイズの商品(メール便向け)で使用される資材です。
ダンボールよりも低コストで、省スペースかつ軽量なのが特徴です。

テープ付きのビニール袋も多く、作業効率の向上に役立ちます。
また、多少の水濡れでも商品に影響が出にくいというメリットがあり、雨天時の配送でも安心して使えます。

ただし強度が低いため、ワレモノや重量物には不向きです。
アパレル商品や衝撃に強い小物など、比較的軽量な商品の発送に適しています。

緩衝材の種類

緩衝材は、輸送中の衝撃から商品を守るために欠かせない資材です。
商品に合った緩衝材を選ぶことで、梱包の安全性と効率を大きく高めることができます。

エアキャップ(気泡緩衝材)

エアキャップの写真

エアキャップは、空気の入った小さな突起(気泡)が衝撃を吸収する緩衝材で、
「プチプチ」という名称で広く知られています。
使いやすく汎用性が高いため、幅広い商品に利用されています。

エアキャップには以下の3種類があります。

シートタイプ

CD・DVD・陶器など、小型の壊れやすい商品に最適です。
柔らかく扱いやすいため、商品の形に合わせて包みやすい特徴があります。

平袋タイプ

小型パーツや酒類の個別保護に使用します。
袋状になっているため、商品をそのまま入れるだけでしっかり保護できます。

ロールタイプ

自由にカットして使えるため、さまざまな大きさ・形状の商品に対応可能です。
大型商品や不規則な形状のものを包む際に便利です。

気泡の大きさも複数あり、一般的には直径1cmのものがよく使用されます。
商品特性に応じて突起サイズ(気泡サイズ)を選ぶことで、より高い保護効果が得られます。

バラ緩衝材

バラ緩衝材の写真

バラ緩衝材は、繭(まゆ)のような形状をした小さな粒状の緩衝材です。
ダンボールと商品の隙間を埋めるのに最適で、複雑な形状の商品でもしっかりフィットします。

ただし、軽量であるために商品が動きやすい場合があります。
そのため、しっかり固定したい場合は他の緩衝材と併用することが推奨されます。

素材はさまざまで、
・つぶれにくいポリエチレン・ポリスチレン製(重い商品向け)
・環境に優しいコーンスターチ製(軽量商品向け)
など、用途に合わせて選択できます。

紙(ペーパー緩衝材)

紙の緩衝材の写真

紙を丸めたものも隙間埋めとしてよく使用される緩衝材です。
コストが安く、保管スペースも取らないため、扱いやすい資材として人気があります。

また、ほとんどが再生紙で作られており、リサイクルもしやすいため、環境配慮の観点からも非常に優れています。

ただし、紙だけでは十分な緩衝力が得られない場合もあり、重量物や衝撃に弱い商品には他の緩衝材との併用が望まれます。

発泡スチロール

発泡スチロールは、非常に高い緩衝性を持ち、軽量でありながら衝撃に強い緩衝材です。
家具・家電・精密機器など、壊れやすく重い商品の輸送によく使用されます。

ただし、他の緩衝材と比べるとコストが高く、廃棄処理も簡単ではありません。
そのため、必要な場合にのみ適切に使用し、過剰使用を避けることが推奨されます。
環境負荷の観点からも注意が必要です。

梱包の注意点

梱包は商品の安全を守る上で欠かせない工程ですが、過剰な梱包は顧客にとってストレスとなり、企業イメージを損なう原因になる場合があります。
「開封しにくい」「資材が多すぎる」「ゴミが増える」などの不満につながりやすく、環境意識の高い消費者には特に悪印象を与えます。

さらに、過剰梱包は企業側のコスト増加にも直結します。
資材を使いすぎることで費用がかさみ、結果として製品価格に反映されてしまう可能性もあります。
顧客が「無駄に感じる」包装は、再購入意欲を下げてしまうため注意が必要です。

商品の特性に合った最適な梱包を行う

理想的な梱包とは、「必要最小限の資材で最大限の保護を実現すること」です。
商品ごとに適切な梱包方法は異なります。

  • 壊れやすい商品 → 強度の高い資材と十分な緩衝材
  • 頑丈な商品 → 簡易梱包で十分な場合もある

商品の形状・重さ・輸送リスクを踏まえた梱包を心がけることで、過不足ない最適な梱包ができます。

顧客が開封しやすい梱包を選ぶ

顧客の利便性を高めるには、開封しやすい梱包が重要です。
資材が多すぎたり、カッターが必要な梱包はストレスにつながります。

開封しやすいパッケージや、廃棄しやすい資材を選ぶことで、顧客満足度を高めることができます。

環境配慮型の梱包材を選ぶ

環境意識の高い消費者が増えている中、再生紙・生分解性素材・簡易包装などを採用している企業は好印象を持たれやすくなります。

エコフレンドリーな梱包は、企業価値を高めるだけでなく、サステナビリティの観点からも重要です。

このように梱包は単なる保護手段としてだけでなく、ユーザー体験(UX)と環境配慮を考えた戦略的取り組みとして捉えることが必要です。
顧客の気持ちに寄り添った梱包を実施することで、顧客満足度の向上と企業の持続的な成長が期待できます。

まとめ

本記事では、梱包の基礎知識から梱包資材の種類、正しい手順、注意点までをわかりやすく解説しました。
梱包は、商品の安全な輸送・保管を実現するうえで欠かせない工程であり、顧客満足度の向上や物流コスト削減に直結する重要なプロセスです。

適切な梱包方法を理解し、商品に合った資材や緩衝材を選ぶことで、破損リスクの低減・返品対応の減少・ブランド価値の向上につなげることができます。
ビジネスにおいて梱包の質を高めることは、企業の信頼性向上にも大きく貢献します。

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