国内の物流事業にはどんな種類があるの?
物流は生産者やメーカー、卸売、小売、消費者といった、ありとあらゆる業態にとって不可欠な存在と言えますが、物流活動を事業として行う「物流業者」が存在するといった特徴があります。そのため、本日は国内における「物流業者」の種類を紹介するとともに、その規模についても触れてみたいと思います。
目次
国内物流の事業別規模
物流業者としてすぐに想像するのは輸送業者や倉庫業者などの事業者だとは思いますが、国内の物流で言えば、物流業者は以下のように区分できます。
このグラフから見てもわかる通り、5つのうち4つが輸送業者です。その中でも目立つのがトラック運送業者で、近年の日本の総輸送量(約48億トン)のうち90%以上をトラック運送事業が取り扱っています。日本の土地柄でしょうか、反対に航空貨物輸送や鉄道貨物輸送の需要は少ない結果となっています。このようにデータから日本の物流の特徴を読み解く事ができます。では次はそれぞれの物流事業について、もう少し詳しく紹介致します。
国内物流事業の種類と概要
トラック運送事業(貨物自動車運送事業)
普段道路を通行しているとトラックを見かけることが多少なりともあるかとは思いますが、今度見つけた時はナンバープレートの色に注目してみてください。トラック輸送業者は第三者の貨物を有償で取り扱うので、「貨物自動運送事業法」という法律により、事業の届出や運賃の提示などが義務つけられています。そのため、トラック輸送業者の営業用のトラックではその証として緑色のナンバープレートを付ける必要があります。白いナンバープレートのトラックは自家用車ということですので、他人の荷物を運ぶことはできません。つまりは荷主のトラックであることが分かります。
また、トラック運送業者には大きく分けて2つあります。1つは「特積」と呼ばれるもので、複数の荷主から小口貨物を集めて1台のトラックに積合せて運ぶ業者を指します。普段よく利用する宅配便などもこれにあたります。
もう1つはトラック1台を荷主の貸切りで運用するもので、その名の通り「貸切」と呼ばれます。例外はありますが、引越便や霊柩車などが含まれます。いずれにせよトラック運送事業を支えているのは中小零細業者です。
このように業者にも種類がありますが、当然トラックにもいくつかの種類が存在します。トラックは、2トン車、4トン車、10トン車、トレーラーなどのサイズがありますが、屋根があるものや、荷台があるものなど様々です。例えば、荷台が平らで屋根のない「平ボディー車」、荷台がアルミ型の箱で覆われている「箱車」、箱車の中でも荷台の両サイドが鳥の羽のように開く「ウイング車」、保冷品・冷蔵品・冷凍品を運ぶ「保冷車」や「冷蔵車」「冷凍車」などが存在します。
JR貨物(鉄道貨物輸送)
貨物鉄道輸送は、かつては国内貨物輸送の主要部分を担っていましたが、昭和40年代以降はトラックが普及したことから、大きく減少することとなりました。輸送重量では、貨物自動車運送事業が約9割と圧倒的なシェアを占めるのに対し、鉄道貨物輸送は約1%に過ぎません。しかし、今でもコンテナとしては紙・パルプ、食料工業品、宅配便、農産品・果物などを輸送しており、車扱では石油を輸送しています。北は北海道、南は九州までネットワークが構築されています。
貨物列車では12フィートや31フィートなどの日本独自の特殊なサイズのコンテナが使われています。ちなみにですが、12フィートのコンテナは最大積載重量が5トンであることから、「ゴトコン」とも呼ばれています。
内航海運業
国内の港と港を結ぶのがこの内航海運業の役割です。一度に多くの貨物を運べることはもちろん、比較的長距離を輸送するのに適しています。そのためか、総輸送距離では自動車運送業をも凌ぐと言われ、海に囲まれた日本では大変貴重な存在です。また、地震の多い日本において、もし万が一陸路が絶たれた場合でも、機能するのがこの内航海運業の強みです。
船の種類も様々で、「コンテナ船」「オイルタンカー」「RO-RO船」「自動車専用船」「ケミカル船」「雑貨船」「石炭専用船」「木材専用船」「天然ガスタンカー」などが存在します。1番馴染みのあるコンテナ船は20フィート、40フィート、45フィートなどのコンテナを積載することが可能です。
航空貨物運送事業
例えば国内において沖縄や離島地域の場合は船か飛行機でしか貨物を輸送することはできませんが、スピードを重要視する場合はこの航空貨物運送が適任と言えます。特に生鮮品や救援物資、医薬品などはスピードが求められます。ただ、なにもスピードだけではありません。半導体製造装置や美術品などは大きな振動を与えることができないため、高い品質を求める意味でもこの航空貨物運送は重宝されます。
通常、航空機は「旅客機」「貨物機」、それらを合わせた「コンビ」の3種類が存在します。例えばボーイング777の貨物機は最大搭載重量は約103トンです。輸送にはULD(Unit Load Device)と呼ばれる航空機専用のパレットやコンテナが用いられます。
倉庫業
物流の中でトラック運送事業の次に主要な存在とも言えるのが、この倉庫業です。倉庫業はかつては第三者の荷物を預かって保管することが主たる事業でありましたが、近年は物流センターとしての役割が求められています。物流センターとして機能するためにはただ単に荷主の荷物を保管するだけではなく、荷主の指示を受けて荷物をピッキングし、検品・梱包をして出荷をする必要があります。誤出荷を防ぐことはもちろん、作業を効率化するためにはWMSと呼ばれる倉庫管理システムの導入が必須となり、最近では一部の倉庫内作業を自動化させた「自動倉庫」が注目されています。
また、EC市場が拡大傾向にあることから、色々な機能を備えた物流センターも増えてきています。例えばネットショップに商品を掲載するには商品画像が必要ですが、その商品画像を用意するために必要な作業である「撮影」を代行してくれる物流センターも存在します。また、撮影のみならず、商品登録に同じく必要となる採寸や原稿作成といったいわゆる「ささげ業務」まで一環してサポートしてくれる業者も現れるようになりました。ただ、物流センターの進化は留まる事を知らず、WEB制作や広告運用の代行までもサービスとして提供する業者がこの物流激動の時代をリードしていっている、と言えるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
物流と言ってもこのようにありとあらゆる事業にカテゴライズ出来ることがお分かり頂けたと思います。もし万が一、倉庫業者をお探しの場合は我々トミーズコーポレーションをご利用くださいませ。20年培った経験をもとに時代をリードする物流センターとしてお客様のサポートをさせて頂きます。
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