BtoCとは?BtoBやDtoCなどの関連用語を一挙解説!ビジネス成功のポイントなど

「BtoCって言葉をよく聞くけど、実はイマイチ分かっていない……」という方も多いのではないでしょうか?
BtoC(ビートゥーシー)は、ビジネスパーソンとしては知っておきたい言葉です。
とくに経営者の方であれば、新規のビジネスを立ち上げる際に、知っておく必要があるでしょう。
そこで今回は、BtoCはもちろん、BtoBやDtoCなどの関連用語を一挙に解説します。
この記事を読めば、専門用語が分かるだけでなく、ビジネスを成功させる秘訣も分かります。
目次
BtoC(B2C)とは

BtoC(ビートゥーシー)とは、英語の「Business to Consumer」の略称で、「企業対消費者間取引」と訳されます。「B2C」と表記されることもあるので、一緒に覚えておきましょう。
BtoCは、企業が商品やサービスを一般消費者に販売するビジネスモデルであり、スーパーマーケット、コンビニ、百貨店、ドラッグストアなどがそれに当たります。
つまりBtoCは、個人にとって必要不可欠な存在であり、多くの企業にとってビジネスチャンスがある業態と言えるでしょう。
近年ではリアル店舗以外でも、Amazon、楽天、ZOZOTOWNなどをはじめ、EC(インターネット販売)の分野でも、BtoCは活性化しています。
経済産業省が発表した資料によると、BtoC-EC市場は年々拡大を続けており、2023年には市場規模が24兆8,435億円に達しました。 特に物販系分野の安定成長に加え、サービス系分野の回復・拡大が顕著です。
下のグラフは、2014年から2023年にかけてのBtoC-EC市場規模の推移を表したものです。青色が物販、緑がサービス、赤がデジタル系の市場規模を示しています。
BtoC以外のビジネスモデルには何がある?
それでは次に、BtoC以外のビジネスについて解説します。
BtoB(B2B)とは

BtoB(ビートゥービー)とは、英語の「Business to Business」の略称で、「企業間取引」と訳されます。
BtoCとの違いは、商品の販売先が個人ではなく企業であることです。
たとえば、「メーカー」や「卸」のほとんどは、BtoBに含まれます。メーカーであれば自社が生産した商品を卸(企業)に、卸であればメーカーから仕入れた商品を小売(企業)に、販売するのが基本的な流れです。
個人から見ると直接的な関係性はないものの、BtoBは縁の下の力持ちとして、日々私たちの生活を支えています。
BtoCと同様に、BtoB-EC市場も年々拡大を続けています。
経済産業省の調査によると、2023年のBtoB-EC市場規模は約465兆2,372億円に達し、EC化率も40.0%と過去最高を記録しました。
これはBtoCと比べて取引金額が大きく、業務用の大量発注や長期契約などが多いことが背景にあります。
以下のグラフは、2019年から2023年にかけてのBtoB-EC市場規模とEC化率の推移を表したものです。
これはBtoCよりも、BtoBのほうが商品やサービスの平均単価が高い傾向にあるためです。
BtoB-ECを始める方法としては、『NETSEA(ネッシー)』や『スーパーデリバリー』といったECモールへの出品や、Web受注システム『Bカート』による自社ECサイトの開設などが、候補に挙がるでしょう。
CtoC(C2C)とは

CtoC(シートゥーシー)とは、英語の「Consumer to Consumer」の略称で、「個人間取引」と訳されます。
以前から『ヤフオク』のように、個人が不要になったモノを売買するプラットフォームは存在していましたが、近年ではスマートフォンの普及とともに、『メルカリ』などのフリマアプリが広く利用されるようになり、CtoC市場が大きく拡大しています。
さらに「シェアリングエコノミー(モノ・場所・スキルなどの共有)」や、「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点からも、CtoCは注目されるビジネスモデルです。
企業にとっても、リユース・リサイクルを促進する新たな市場として魅力的といえるでしょう。
経済産業省の調査によると、2023年のCtoC-EC市場規模は2兆4,817億円となり、前年比5.0%の成長を記録しました。BtoC市場と比較するとまだ規模は小さいものの、堅実な成長を続けており、今後の拡大が期待されています。
以下の図表は、2022年と2023年のCtoC-EC市場の推移と成長率を示しています。
DtoC(D2C)とは

DtoC(ディートゥーシー)とは、英語の「Direct to Consumer」の略称で、メーカーが卸や小売を通さずに、直接消費者に販売するビジネスモデル。いわゆる「メーカー直販」や「中抜き」のことです。
従来のSPA(製造小売業)モデルとは異なり、DtoCではECサイトを通じたオンライン販売が主流となっており、実店舗を持たないブランドも多く存在します。
近年、『BASE(ベイス)』や『Shopify(ショッピファイ)』などのECサイト構築サービスの普及により、メーカーが低コストで自社ECサイトを立ち上げることが容易になりました。これにより、小規模なブランドや個人事業主でもDtoCモデルに参入しやすくなっています。
また、SNSやインフルエンサーを活用したマーケティング手法が一般化し、消費者との直接的なコミュニケーションを通じてブランド価値を高めることが可能となっています。
DtoCモデルの主なメリット
DtoCモデルの主なメリットは以下の通りです。
- 高い利益率の確保:中間業者を介さないため、利益率が向上します。
- 顧客データの取得:直接販売により、顧客の購買データやフィードバックを収集しやすくなります。
- ブランドコントロール:商品の価格設定やプロモーション戦略を自社でコントロールできます。
DtoCモデルを採用する際の注意点
しかしながら、DtoCモデルを採用する際には以下の点に注意が必要です。
- 既存の取引先との関係維持:卸や小売との関係を維持するために、自社ECサイトでは定価販売を行うなど、価格設定に配慮が必要です。
- 物流体制の整備:受注から配送までの物流体制を自社で構築・管理する必要があります。
- カスタマーサポートの強化:顧客対応を自社で行うため、サポート体制の充実が求められます。
複数のビジネスモデルに取り組むメリット
近年では、BtoCとBtoB、BtoBとDtoC、さらにはCtoC要素を取り入れたD2Cなど、1社が複数のビジネスモデルを並行して展開するのは、もはや一般的な戦略になりつつあります。
特に、EC市場の成長と共に消費者ニーズが多様化している現在、柔軟なビジネスモデルの運用は企業の競争力に直結します。
複数のモデルを組み合わせることで、次のようなメリットが期待できます
- 利益の拡大や生産コストの削減が見込める
- 不良在庫を抱えるリスクを低減できる
利益の拡大や生産コストの削減が見込める
複数のビジネスモデルに取り組むことで、事業の販路が広がり、結果として利益の最大化と生産効率の向上につながります。
たとえばメーカーがBtoCやDtoCに展開すれば、中間マージンを省いて高い利益率を確保できるだけでなく、顧客からのフィードバックを商品企画に即時反映できます。
また、小売業(BtoC)が法人向け販売(BtoB)を開始することで、まとめ売りによる在庫回転率の向上やスケールメリットを活かした生産コストの削減も期待できます。
近年では、DtoCブランドが法人向けにOEMやノベルティ提供などを行う「DtoB(Direct to Business)」という派生型も注目されています。
不良在庫を抱えるリスクを低減できる
物販事業において避けて通れない「在庫リスク」ですが、販売チャネルを多角化することで在庫の消化機会が増え、不良在庫の発生を抑えることが可能です。
たとえば、DtoCチャネルで売れ残った商品を法人向けにロット販売したり、シーズンアウト品をCtoC的な二次流通に回すなど、複数モデルを組み合わせることで在庫処分の柔軟性が高まります。
在庫を圧縮し、キャッシュフローが健全化すれば、新商品や新市場への投資余力が生まれ、事業全体の機動力も増します。
複数のビジネスモデルに取り組むコツ
複数のビジネスモデルに取り組む上で最も重要なポイントは、「在庫の一元管理」です。
現在、多くの企業がBtoB・BtoC・DtoCといった異なる販売チャネルを運営していますが、チャネルごとに在庫を分けて管理しているケースも少なくありません。
これは、業態別に求められる在庫回転速度、配送リードタイム、出荷単位などが異なることが理由です。
しかし、在庫を分散管理してしまうと、ある拠点では在庫が余っているのに、別の拠点では欠品して販売機会を逃すといった「機会損失」や、横持ち(拠点間移動)にかかる物流コスト増が発生してしまいます。
一方、最新のWMS(倉庫管理システム)やOMS(受注管理システム)を活用することで、チャネル横断でリアルタイムに在庫状況を把握・共有することができ、販売機会を最大化できます。
また、2025年現在では、クラウド型の在庫連携ツールも充実しており、中小企業やDtoCブランドでも、比較的低コストで在庫の統合管理が実現可能です。
在庫の一元管理を導入すれば、次のようなメリットが得られます
- 在庫の過不足を防ぎ、販売機会損失を回避
- 物流コストの最適化(横持ち運賃や余剰在庫削減)
- 業務の標準化と作業効率の向上
将来的には、需要予測AIと連携したや「在庫の最適配置」も進化していくと予想され、在庫管理が競争優位性の鍵を握る時代に入っています。
在庫の一元管理ならトミーズコーポレーション
在庫の一元管理なら、物流実績29年の弊社トミーズコーポレーションがおすすめです。
BtoC、BtoBといった業態問わず、物流のアウトソーシングが可能で、在庫の一元管理も得意としています。
ECに特化したクラウドWMS(倉庫管理システム)である「BEELOGi(ビーロジ)」の導入により、高い在庫精度を実現しています。
まとめ
今回は、BtoC、BtoB、CtoC、DtoCなどの用語を解説しました。
また、複数のビジネスモデルに取り組むメリットやコツも紹介したので、参考になったのではないでしょうか。
自社の物流をアウトソーシングするときはもちろん、在庫の一元管理を実現させたい企業様は、ぜひお気軽に弊社トミーズコーポレーションまでお問い合わせください。
