【動画公開】第2回:越境ECの成長が止まらない3つの理由を解説|今なぜ海外販売が注目されるのか?
目次
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越境ECとは?
越境ECとは、国境を超えて商品を販売・購入するインターネット取引を指します。
- 日本の商品を海外の消費者へ販売する
- 海外の商品を日本国内の消費者へ販売・輸入する
以前は大企業中心のビジネスモデルというイメージもありましたが、現在はプラットフォームや物流環境の整備により、中小企業や個人事業主でも十分に参入できる領域となっています。
越境ECの成長が止まらない3つの理由
越境ECの急拡大の背景には、主に次の3つの要因があります。
- 国内マーケットの縮小により「海外へ売る」意識が加速している
- ECプラットフォームと物流インフラの整備で参入障壁が大きく下がった
- SNSとデジタルマーケティングにより世界中へ直接アプローチできるようになった
① 国内マーケット縮小により “海外へ売る” 意識が加速
日本は少子高齢化の影響により、消費人口の減少とともに国内マーケットの成長余地が小さくなっています。その結果、「国内だけでは売上の伸びが限られる」という認識が強まり、多くの企業が海外市場へ目を向け始めています。
一方で、北米やアジア諸国などでは若年層を中心に購買力が伸びており、日本製品に対して次のような価値が評価されています。
- 高い品質
- 優れた安全性
- デザイン性や世界観の独自性
こうしたニーズと、日本企業の強みが噛み合うことで、「国内の頭打ちを海外での売上拡大で補う」という戦略がごく自然な選択肢になりつつあります。
② ECプラットフォームと物流の整備で参入障壁が低下
かつて海外販売は、言語・決済・通関・物流など多くのハードルがあり、中小企業には手を出しづらい領域でした。しかし、ここ数年で環境が大きく変わっています。
▼ プラットフォームの進化
現在は次のようなプラットフォームが充実しており、誰でも比較的簡単に越境ECをスタートできるようになりました。
- Amazon グローバル、eBay などのモール型プラットフォーム
- Shopify を活用した自社ECの海外展開
- 海外向け決済機能や多通貨対応の標準搭載
- 自動翻訳や多言語対応アプリとの連携
これにより、従来は海外拠点や現地法人がないと難しかった販売も、国内からオンライン完結で構築できる環境が整っています。
▼ 物流インフラの改善とデジタル化
物流面でも、越境ECに特化したサービスや国際配送ネットワークが整備されてきました。
- DHL・FedEx・UPS などによる国際配送サービスの多様化
- 通関業務やインボイス作成のオンライン対応
- 越境EC専用料金プランや小型貨物向けプランの登場
以前は「複雑でコスト高」なイメージが強かった物流も、現在はビジネスチャンスを広げるインフラへと変化しています。
③ SNS・デジタルマーケティングで世界へ直接アプローチ
越境ECで成果を上げるには、「どこで・誰に・どう見せるか」というマーケティングが欠かせません。近年は、SNSとデジタルマーケティングの普及により、日本から世界中のユーザーに直接リーチすることが可能になっています。
▼ 世界中にダイレクトに届く発信チャネル
- Instagram:ビジュアル重視の商品・ブランド訴求に最適
- TikTok:ショート動画で世界中の消費者へリーチ
- YouTube:ストーリーやブランドの背景を伝える中長尺コンテンツ
広告運用を組み合わせることで、国やエリア、年齢層、興味関心などを細かく絞った配信も可能です。
▼ ニッチな日本製品でも海外でヒットする時代
SNSを通じて、「日本独自の世界観」や「細部までこだわったプロダクト」に共感する海外ユーザーが増えています。
- アニメ・ゲーム文化と親和性の高い雑貨
- 職人が手掛けるアパレル・革小物
- 日本ならではの食品・日用品・文房具
マスマーケットではなくても、SNS経由で熱量の高いファンを獲得できれば、ニッチでも成立するビジネスモデルになり得ます。
▼ AIツールで言語の壁を下げる
さらに、AI翻訳・画像生成・字幕生成などのツールを活用することで、日本語以外での発信もハードルが大きく下がりました。
- 商品画像に多言語のコピーを載せて投稿
- 商品紹介動画に英語・中国語などの字幕を自動付与
- 海外ユーザー向けの説明文をAI翻訳で作成
これらを組み合わせることで、「少人数のチームでも海外に向けた発信を継続できる」環境が整っています。
今後の論点は「物流コスト」と「配送ルートの最適化」
越境ECが成長フェーズに入った今、次のステップとして重要になるのが「物流コストの最適化」と「配送ルートの設計」です。
■ 課題① 配送コストの削減
海外送料は国内配送と比べてどうしても割高になりがちです。そのため、次のような設計が利益率を大きく左右します。
- どの国・エリアに、どの配送手段を採用するか
- 梱包サイズ・重量をどう最適化するか
- 送料無料ラインや国別送料のルール設計
■ 課題② 国・商品に応じた配送業者の選定
最適な配送手段は、商品特性や発送先によっても変わります。イメージとしては、次のような考え方が一例です。
| ケース | 検討の方向性(例) |
|---|---|
| 軽くて小さい商品を世界中に発送 | 小型貨物向けの国際配送サービスや、越境EC専用プランを検討 |
| 重量物や高単価商品を安定的に配送 | FedEx・UPS など、実績と追跡精度の高いキャリアを軸に検討 |
| アジア圏へのまとまったロット発送 | EMSや、特定エリア向けに強いフォワーダーとの組み合わせを検討 |
実際には、取り扱い商材・販売チャネル・注文ボリュームなどを踏まえて、「自社にとって最も合理的な配送設計」を行う必要があります。
越境ECに取り組む企業様へ
越境ECは、市場規模の拡大・高付加価値での販売・ブランド認知向上など、多くのメリットをもたらします。
一方で、出荷拠点・在庫管理・通関・送料設計・返品対応など、物流面の設計を誤るとコストが膨らみ、利益が出にくくなるリスクもあります。
トミーズコーポレーションでは、国内倉庫運営から海外発送、越境EC向け物流設計までワンストップで支援しています。
ご相談いただけるテーマ(例)
- 海外送料・料金体系の設計
- 国別・エリア別の最適な配送手段の選定
- 国内倉庫~海外配送までの一気通貫フロー構築
- ECモール・Shopify 等との在庫・出荷連携
すでに越境ECにチャレンジされている企業様はもちろん、「これから始めたい」「興味はあるが何から手をつけてよいか分からない」といった段階でも大歓迎です。現状をヒアリングした上で、貴社のフェーズに合ったご提案をさせていただきます。
越境ECの物流方針でお悩みの際は、お気軽にご相談ください。
今後も、「トミーズ物流TIMES」では現場目線の情報をお届けしてまいります。



