物流コスト値上げを乗り切る見直しポイント
はじめに
2024年以降、物流業界は大きな転換期を迎えています。宅配便の再編や運賃体系の見直し、フルフィルメントサービスの価格改定など、物流に関わるあらゆる費用が上昇傾向にあります。特に中小EC事業者にとっては、こうしたコスト増が直接利益率に影響するため、見過ごすことのできない問題です。本コラムでは、物流業界全体の動向とそれに伴う中小EC事業者の課題、そして今求められている柔軟な物流サービスについて解説します。
物流業界の値上げ傾向と中小EC事業者への影響
2024年以降、日本の物流業界では宅配便、倉庫保管、フルフィルメントサービスの各分野で料金の値上げが続いています。この背景には、”2024年問題”と呼ばれるトラックドライバーの時間外労働制限や、燃料費・人件費の高騰、さらにはEC市場の成長による物流量の急増など、複合的な要因があります。
特に2024年4月以降は、ドライバー不足に対応するために運賃の適正化を進める動きが活発化し、各社が価格の見直しを相次いで発表・実施しています。これにより、中小規模のEC事業者は、仕入れ原価だけでなく出荷・配送にかかる物流コストの上昇にも直面し、収益モデルの見直しを迫られる場面が増えています。
また、従来の「送料無料」戦略が難しくなり、価格転嫁による顧客離れの懸念や、物流リソースの確保と運用効率の両立といった新たな課題も浮上しています。大手に比べて交渉力に限界のある中小事業者ほど、影響は深刻といえるでしょう。
加えて、フルフィルメントサービスを活用していた事業者にとっては、各サービスプロバイダーの料金改定が事業継続に直結する問題となっています。これらの値上げは、物流のアウトソーシングを再検討する契機ともなっており、自社に合った柔軟でコスト効率の高いサービス選びが急務となっています。
大手物流サービス各社の料金改定例
ヤマト運輸や佐川急便、日本郵便といった宅配大手に加え、Amazon FBAや楽天スーパーロジスティクスなどEC事業者向けフルフィルメントサービスも料金体系の見直しを行っています。
例えば、ヤマト運輸では大型荷物やクール便の送料が段階的に引き上げられており、佐川急便でもサイズやサービスごとに連続して値上げが実施されています。日本郵便においても、郵便料金や小型荷物配送サービスの価格改定が行われ、物流コストの全体的な上昇が見られます。
さらに、楽天スーパーロジスティクスでは2025年6月より配送費用や出荷作業料の値上げが実施され、他モール向け出荷には追加手数料も導入されています。これにより、特に中小EC事業者にとっては、今まで以上に物流費用の負担が大きくなっている状況です。
中小EC事業者が直面する課題
こうした物流費の上昇は、規模の小さなEC事業者にとって大きな打撃です。とくに「送料無料」戦略を掲げていた店舗では、その維持が困難になりつつあります。送料の一部を価格に転嫁する動きも見られますが、競争が激しいEC市場では慎重な対応が求められます。
また、自社での物流管理や複数の配送業者との契約を維持するコストや手間が増すことで、社内リソースの圧迫も進んでいます。
大口契約・柔軟な物流サービスへのニーズ高まる
物流コストの上昇が避けられない状況の中で、事業者に求められているのは“適切なパートナー選び”と“柔軟な体制の構築”です。
特に大口契約によるコスト削減や、配送会社を柔軟に選択できる体制、変動する販売サイクルに応じた倉庫・出荷体制の調整ができることが重要です。これにより、中小EC事業者でも過剰なコスト負担を避けながら、高品質な物流サービスを維持することが可能となります。
弊社サービスのご案内
トミーズコーポレーションでは、中小EC事業者様向けに最適化された3PL(サードパーティ・ロジスティクス)サービスを提供しています。固定契約に縛られず、出荷量や販売チャネルに応じた柔軟なプラン設計が可能です。
料金面でも、大手と直接契約が難しい事業者様に対しても、スケールメリットを活かした大口契約単価での対応を実現しています。また、宅配便各社との複数契約により配送コストの最適化が可能で、倉庫保管からピッキング、出荷、配送までワンストップでご対応いたします。
物流費用が増加し続ける今こそ、自社の物流体制を見直す絶好の機会です。もし現在の委託先やコストに課題を感じておられるなら、ぜひ一度ご相談ください。