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TOPコラム物流技術管理士とは?取得方法・受講資格・費用・難易度を解説

公開日: 2024/12/25
更新日: 2026/10/02

物流技術管理士とは?取得方法・受講資格・費用・難易度を解説


物流業務では、輸配送や在庫管理、倉庫運営など個別の業務だけでなく、物流全体を把握し、課題を見つけて改善していく視点が求められます。こうした物流・ロジスティクスに関する専門知識やマネジメント技術を体系的に学べるのが「物流技術管理士」です。物流技術管理士とはどのような資格なのか、取得するには何が必要なのか気になっている方もいるでしょう。この記事では、物流技術管理士の概要から、受講資格、取得方法、試験内容、受講料、難易度、取得後の知識の活かし方まで解説します。

物流技術管理士とは

物流・ロジスティクスの専門知識を体系的に学ぶ資格

物流技術管理士は、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会(JILS)が認定する資格です。物流管理者や物流技術者に必要とされる、物流・ロジスティクス全領域の専門知識やマネジメント技術を体系的に学び、物流の計画・管理・運営に活用できる人材の育成を目的としています。物流では、倉庫内の作業効率だけを改善すればよいとは限りません。保管方法や作業方法を変更した結果、在庫や輸配送など別の部分に負担が生じることもあるため、物流全体を見ながら改善を進める必要があります。そのため、物流拠点、輸配送、在庫、物流コスト、情報システムなどを個別に見るだけでなく、それぞれの関係を考えながら全体最適を目指す視点が重要です。物流技術管理士は、物流の一部分だけではなく、ロジスティクスの視点から物流全体を捉え、計画・管理・改善につなげるための知識や技法を体系的に学ぶ資格です。

JILSによると、これまでに13,000名を超える物流技術管理士が認定されています。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」

物流技術管理士で学べる内容

物流技術管理士資格認定講座では、物流・ロジスティクスに関する幅広い分野を学びます。講座では、経営とロジスティクス、物流コスト管理、物流拠点管理、輸配送管理、在庫管理、サプライチェーンマネジメント(SCM)、物流現場改善など、物流業務を考えるうえで必要となるさまざまなテーマを扱います。

主な分野 学ぶ内容
経営とロジスティクス ロジスティクスの役割や全体最適の考え方など
物流コスト管理 物流コストの考え方や管理方法
物流拠点管理 保管・荷役、マテハン、IT活用、生産性・品質管理など
輸配送管理 輸配送管理や輸配送システムなど
在庫管理・SCM 在庫管理やサプライチェーンマネジメント
物流現場改善 物流現場の課題を把握し改善するための考え方や技法
その他 包装、グローバルロジスティクス、グリーンロジスティクス、物流アウトソーシング・3PLなど

講義だけではなく、ケーススタディを含む個人演習やグループ演習も取り入れられています。また、受講レポートや論文の作成を通じて、自身の業務や企業が抱える物流課題について整理し、改善施策を検討する機会も設けられています。知識を身につけるだけでなく、物流現場の課題を把握し、改善策を考えるための実践力を高めることも物流技術管理士資格認定講座の特徴です。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」

物流技術管理士の受講資格

物流技術管理士資格認定講座には受講対象が定められています。直近の2026年度開催では、次のいずれかの要件を満たしていることが受講条件とされました。

  • 物流に関する実務経験を1年以上有し、かつ物流に関する基本的な用語を理解していること
  • 物流技術管理士補の有資格者であること

物流に関する実務経験がある場合には、物流技術管理士補を取得していることが必須ではありません。一方、一定の実務経験や物流に関する基礎知識を前提とした講座であるため、物流についてまったく知識がない状態から学ぶ入門講座とは性格が異なります。物流技術管理士は、一定の物流実務経験や基礎知識を持つ人が、物流・ロジスティクスについてさらに体系的かつ実践的に学ぶための資格です。受講資格は今後変更される可能性があるため、次回以降の受講を検討する場合にはJILSが公表する最新情報を確認してください。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」(2026年度開催情報)

物流技術管理士の取得方法

物流技術管理士は、試験だけを受験して取得する形式の資格ではありません。JILSが実施する「物流技術管理士資格認定講座」を受講し、所定の資格認定要件を満たす必要があります。直近の2026年度開催では、講座はのべ18日間で構成されています。資格認定には、会期中18日のうち14日以上出席し、前期・後期2回分の受講レポートを提出することが必要です。さらに、客観試験、論文試験、面接試験のすべてを受験し、それぞれの試験で満点の6割以上を取得する必要があります。各試験の合計点から欠席や受講レポート提出遅延による減点を差し引いた総合点についても、60点以上であることが資格認定の条件とされています。物流技術管理士の取得には、継続的な講座受講に加えて、レポート提出と客観試験・論文試験・面接試験のすべてで所定の基準を満たす必要があります。資格認定の条件や講座の開催方法は変更される可能性があるため、受講を検討する際には最新の資格認定規程や開催案内を確認しましょう。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」

物流技術管理士の試験内容

物流技術管理士の資格認定では、「客観試験」「論文試験」「面接試験」が実施されます。

客観試験

客観試験は、講座で学んだ内容の理解度を確認するための筆記試験です。前期・後期の2回に分けて実施され、正誤問題、選択問題、穴埋め問題、計算問題などの形式で出題されます。直近の資格認定基準では、前期・後期を合わせて30点満点で、18点以上が合格基準となっています。

論文試験

論文試験では、講座で学んだ内容を活用しながら5,000~6,000字の論文を作成します。テーマは、自身の業務や企業における物流の改善・改革を企画するものや、これまで取り組んできた業務を改めて検討するものなどです。物流に関する知識だけでなく、課題を整理し、第三者にも理解できるよう論理的に説明する力も求められます。直近の資格認定基準では40点満点で、24点以上が合格基準です。

面接試験

面接試験では、自身が作成した論文について説明し、物流技術管理士専門委員会の委員との質疑応答が行われます。論文の内容を第三者へ分かりやすく説明する力に加えて、質疑応答を通して講座で学んだ物流・ロジスティクスへの理解度が確認されます。直近の資格認定基準では30点満点で、18点以上が合格基準です。

物流技術管理士は筆記試験だけでなく、論文と面接も資格認定に含まれているため、知識に加えて実務への応用力や、自分の考えを整理して説明する力も求められます。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」

物流技術管理士の受講料と申込状況

物流技術管理士資格認定講座の受講料は、開催年度によって変更される可能性があります。直近の2026年度開催では、通常受講料は次のとおりでした。

区分 2026年度通常受講料(税込・1名)
日本ロジスティクスシステム協会 会員 550,000円
会員外 660,000円

受講料には、テキスト・資料代および試験費用が含まれています。また、JILSが指定する資格を持つ方を対象とした有資格者優待も設定され、2026年度はJILS会員484,000円、会員外605,000円でした。なお、2026年度の物流技術管理士資格認定講座は、すべての開催期で受講申込の受付を終了しています。2026年度の講座には2027年1月から3月まで続く開催期がありますが、新たな受講申込はできません。今後の開催日程、受講料、申込期間などについては、JILSが公表する最新の開催情報を確認してください。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士資格認定講座」(2026年度開催情報)

物流技術管理士の難易度は?

資格取得を検討する際に気になるのが、難易度です。物流技術管理士は、短期間の試験勉強だけで取得する形式の資格とは異なります。直近の2026年度開催では、講座は6~7カ月間にわたり、のべ18日間の講義が設定されています。さらに、2回の受講レポート、客観試験、5,000~6,000字の論文、面接試験への対応が必要です。そのため、試験問題への対策だけではなく、仕事と並行して講座を継続的に受講するための時間を確保し、学んだ内容を自身の業務や物流課題に結び付けて考えることが重要になります。一方で、講座では物流・ロジスティクスについて体系的に学びながら、個人演習やグループ演習、レポート作成などを段階的に進める構成になっています。物流技術管理士の難易度を考える際は、試験そのものだけでなく、長期間の講座受講やレポート・論文・面接まで含めて継続的に取り組む必要がある点も考慮しましょう。合格率だけで難易度を判断するのではなく、講座期間や資格認定要件、自身の実務経験などを踏まえて検討することが大切です。

物流技術管理士と物流技術管理士補の違い

物流技術管理士と似た名称の資格として「物流技術管理士補」があります。物流技術管理士補資格認定コースは、ロジスティクス基礎講座や指定された通信教育などで身につけた基礎知識を、実務へ応用できる人材の育成を目的としたコースです。企業事例を用いて物流合理化策を立案するグループ演習などに取り組みます。物流技術管理士資格認定講座は、物流・ロジスティクス全般の専門知識やマネジメント技術をさらに幅広く学び、レポートや客観試験、論文試験、面接試験などを経て資格認定を受けます。

項目 物流技術管理士 物流技術管理士補
主な位置付け 物流・ロジスティクス全般の専門知識やマネジメント技術を体系的に学ぶ 物流の基礎知識を実務へ応用する力を身につける
主な学習方法 講義、個人・グループ演習、レポート、論文など 企業事例を用いたグループ演習など
資格認定 出席、レポート、客観試験、論文試験、面接試験など所定の要件を満たす 所定の資格認定コースを修了し、認定要件を満たす

物流技術管理士補の有資格者は、物流技術管理士資格認定講座の受講対象となるため、段階的に物流・ロジスティクスの知識を深めていくこともできます。物流技術管理士補の開催日程や受講条件についても変更される可能性があるため、最新情報はJILSの公式サイトで確認してください。

出典:公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会「物流技術管理士補資格認定コース」

物流技術管理士を取得するメリット

物流技術管理士資格認定講座を受講するメリットの一つは、物流業務を個別に学ぶのではなく、ロジスティクス全体の視点から体系的に学べることです。例えば、物流センターの作業効率だけを改善しても、在庫量が増えたり、輸配送コストが上昇したりすれば、物流全体として適切な改善になっているとは限りません。物流改善では、倉庫、輸配送、在庫、物流コスト、情報システムなど、それぞれの関係を考えながら改善策を検討する必要があります。物流技術管理士資格認定講座では、こうした全体最適の考え方を学ぶとともに、個人演習やグループ演習を通して実際の物流課題について考えます。受講レポートや論文では、自身の業務や企業が抱える課題について整理し、改善や改革につながる施策を検討します。資格取得そのものだけではなく、物流全体を把握して課題を整理し、改善策を考えるための視点や知識を身につけられることが物流技術管理士を学ぶメリットの一つです。学んだ知識は、物流センターの運営、物流企画、輸配送、在庫管理、物流コストの見直しなど、物流に関わるさまざまな業務で活用できます。

物流技術管理士の知識を物流改善に活かすには

物流改善を進める際には、まず現在の物流業務を把握し、どこに課題があるのかを整理することが重要です。例えば、倉庫内の作業時間に課題がある場合でも、原因が商品配置にあるのか、入出荷方法にあるのか、在庫量にあるのかによって改善方法は異なります。さらに、倉庫内だけでなく、輸配送や在庫管理、情報システム、物流コストなどを含めて考える必要があります。物流技術管理士資格認定講座で学ぶ知識は、こうした物流の現状を整理し、課題を把握して改善策を検討するときに活用できます。また、物流改善はすべてを自社内で行う必要があるとは限りません。自社の人員や設備、物流量、システムなどを踏まえ、物流業務の一部または全部を外部の物流会社へ委託することも選択肢の一つです。物流技術管理士資格認定講座でも、物流アウトソーシングや3PLについて学ぶ内容が含まれています。ただし、物流業務を外部へ委託するだけで、自動的に物流の課題が解決するわけではありません。何を改善したいのか、どの業務を委託するのか、どのようなサービス水準やシステム連携が必要なのかなど、自社の目的と条件を整理しておくことが重要です。物流アウトソーシングを検討する場合も、まず自社の物流課題を把握し、委託する目的と業務範囲を明確にしたうえで、自社に合った物流会社を選ぶことが重要です。物流の課題が複雑で自社だけでは整理が難しい場合には、物流会社や物流コンサルティングなど、外部の専門的な知見を活用しながら改善方法を検討することも一つの方法です。

まとめ

物流技術管理士は、物流・ロジスティクス全領域の専門知識やマネジメント技術を体系的に学び、物流の計画・管理・改善に活用するための資格です。物流拠点、輸配送、在庫管理、物流コスト、SCM、物流現場改善など幅広い分野を学び、個人演習やグループ演習、レポート、論文などを通して実務への応用についても学習します。資格取得には、所定の講座を受講したうえで、出席やレポート提出、客観試験、論文試験、面接試験などの資格認定要件を満たす必要があります。物流技術管理士を学ぶ意義は、個別の物流業務だけを見るのではなく、物流全体を捉え、全体最適の視点から課題と改善策を考えられるようになることにあります。受講条件や受講料、開催方法などは年度によって変更される可能性があります。受講を検討する際には、公益社団法人日本ロジスティクスシステム協会が公表する最新の開催情報を確認しましょう。物流の効率化や業務改善を進める際には、自社の物流を正しく把握して課題や目的を明確にし、自社で改善する範囲と外部の専門会社を活用する範囲を検討していくことが重要です。

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