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TOPコラム物流の要となる倉庫の歴史や今、求められている機能とは

公開日: 2023/09/01
更新日: 2023/09/04

物流の要となる倉庫の歴史や今、求められている機能とは

倉庫の歴史

物流業界において、商品の一時保管、物流加工、ピッキング、出荷などの過程を経るために必要不可欠となる倉庫は、現代の形態になるまでにさまざまな歴史がありました。もともと物を備蓄することを目的として作られたものとして、文明が開けた頃には既に存在していたと考えられています。実際に、エジプトでは、3500年前のルクソールにつくられたものを見ることができ、その仕組みや機能は現在の物とあまり変わりがないことがわかります。
徹底した入出庫管理のもとに、穀物類だけでなくナイル川の氾濫の記録などの情報も保管されており、氾濫の予想やその対処法などについての記述も確認されています。非常時の際の倉庫のあり方についても対応がなされており、古代においてある程度の原形が完成されていることよくわかります。

日本の倉庫では高床式が世界的にも有名です。これには常温保管ができるものだけでなく、宝物なども数多く保管されていました。そのため当時の文化をよく知ることができるものとして、古代エジプトと同様に情報の記録や保管についての役割を担っていたことがわかります。
時代が進み海上交通が発達したことによって、販売活動が活発になり数多く建設されるようになります。現代にもつながる倉庫の大きなターニングポイントとなったのが明治初期で、さまざまな改革により管理権が公的機関から民間人の手に移ったことが本格的な倉庫業の発達に影響を与えたものと考えられます。
明治20年頃には、それまで木造や土蔵であったものがレンガ造りに変わり、その後には鉄筋コンクリート構造やクレーンなどの機械も導入されるようになりました。戦後すぐに復旧を果たし、米軍の軍用品の運搬や保管を目的として、保管業務を画期的に躍進させたフォークリフトなどの登場によりさまざまな効率化が図られ、現在の形に近づいていきます。

近代の倉庫

大量生産とともに大量消費の時代を迎えるようになった高度経済成長期には、まだまだ少なかった品目の商品を大量に保管することで大きな発展を遂げるとともに、急速に整備が進んだ交通網もそれに拍車をかけるものでした。
平成に入ると生産や物流の業界は大きな方向転換を迫られることになります。少品種大量生産の時代から多品種少量生産へと移行し、顧客の多岐にわたる細かいニーズに対応するため、品目を細分化することが必要となってきました。
物が不足した時代には生産すると同時に飛ぶように売れていた物が、安定期に入ったことで消費者の買い控えもみられるようになり、マーケットリサーチングなどをしっかりしていないと大量の不良在庫を抱えてしまうおそれが生じるようになったのです。

ダイエットと同じで、在庫が多過ぎても少な過ぎても不都合が生じます。顧客の消費マインドが冷えこまないように企業は常に、顧客のニーズを先読みして幅広いジャンルでの商品開発をすることが求められるようになっています。
今日では、ネットショッピング等でも即日、翌日配送が一般的になっているように、発注から配送までのリードタイムをいかに短縮するかということが課題となり、IT化などのシステム構築にも設備投資が必要となったのです。ネットショッピングの利用者の急増により、倉庫業も常に進化を求められています。
コンテナや棚だけを積み上げておくだけの時代は終わり、例えば、アパレルメーカーでの対応では、ハンガー商品をシワにならないようにハンガーラックで保管するなどの細かなサービスや配慮が当然のように求められるようになっているのです。

物流倉庫に求められる多様性

どの企業であっても収益をあげるためにコスト削減は必要不可欠なものとなっています。これまでは、品物が売れても物流にかかるコストが大き過ぎるために利益があげられないということもよくありました。物流には品物の運搬、保管、出荷などを行うための費用がかかるのが普通です。
自社で全てを賄っている大手企業もありますが、運搬用のトラックの調達や人員確保などにコストがかかってしまうことで小規模な企業には大きなネックとなってしまうことがあります。回転をよくするために品物の種類や量を調整したり、拠点を集約したりすることによってもコストが削減できますが、効率を考えると限界があるでしょう。

大量に仕入れることで価格を下げている量販店についても、物流コストがかかるのは同じです。現代の倉庫には保管、出荷するだけのものではなく、検品や値札付け、店舗ごとの仕分け、出荷などを一貫して提供するサービスが求められています。
初回出荷分の売れ行き状況を確認して、フォロー出荷を行うなどのスピーディーで柔軟な対応などを行っている物流企業もあり、顧客のニーズにあった低価格でのロジスティクスの実現が図られています。
昔ながらのどんぶり勘定の管理では不良在庫を抱えてしまうだけなので、多岐にわたる消費者の細かなニーズに的確に、そして迅速に対応できる能力が求められているのです。多店舗、多品種を抱える量販店であっても、システム化されたピッキングや梱包作業などにより、コストを抑えるだけでなくミスがなく消費タイミングを逃さない販売活動が可能となることでしょう。

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